上原酒造「初呑み切り2019」2019/7/27,28 滋賀県高島市 

酵母無添加山廃の「不老泉」で有名な滋賀県高島市新旭日の上原酒造さんが、恒例となっている公開「初呑み切り」を行います。「蔵開きイベント」ではありませんので、若干の心構えが求められます。
なお、昨年は同時にご紹介した和歌山県岩出市の吉村秀雄商店さんは、今年から5月実施に変更されました。
日時:2019年7月27日(土)13:30~17:00、7/28日(日)10:30~17:00
場所:滋賀県高島市新旭日大田1524 上原酒造
※予約は不要

順番に回りながら試飲を繰り返し、印象などをチェックシートに記入します。

会場(酒蔵)までの交通

下記の趣旨のため、送迎バスなどはありません。JR湖西線新旭駅からコミュニティーバスで「大田神社前」下車すぐ。駅からタクシーの場合は、一駅手前の安曇川駅の方が若干有利かと思いますが、運しだいです。往復ともに、あくまで自力で到達してください。駐車場は業務用以外はありません。行事の性格上、車はあり得ないと思います。
高島市コミュニティバス 新旭日東循環線 午前4本、午後6本 220円

バス停のある太田神社からは琵琶湖がわに歩いてすぐのところ。

まずは、「初呑切り」とは?

「呑切り」とは貯蔵されている酒の状態を確認することで、ほぼ毎月、数回にわたって行われます。このうち、春の皆造から最初に行われるものを「初呑切り」と言い、通常6~7月に行われます。語源はタンクの注ぎ口の封を切って少量を呑むことで、残った酒を飲み切ってしまうことではありません。これはどこの酒蔵でも関係者が行いますが、こちらの蔵では一般公開で行われます。
“nomi-kiri”is the process of taking a small sample from  a storage tank to check that storage is problem-free, and to assess the aroma and taste of the sake.This first breaking of the seals is distinguished as “hatsu nomi-kiri “.

参加の注意点「本来は吐き出す」

全国に名の知られた実力蔵です。7/27日の午前中は蔵元、杜氏、蔵人さんが行い、午後と翌日に一般公開されます。こちらのスタンスはあくまで「業務の一環」というもの。このため、基本的に酒は飲み込まずに「吐き出す」ということになります。「美味しいと気に入られたお酒は飲みこんでいただいてもけっこうですが、あくまでも試飲会です」と少し緩めてはいますが、「昨年、来られた方のほんの一部ではありましたが、試飲酒を吐き出さずに飲むことを多数行ったため、真っ直ぐに歩けなくなった方、きき酒会場で座り込んで寝てしまった方」「飲み過ぎて気分が悪くなり動けなくなり、蔵人の休憩室で寝ておられた方」がいたようです。実際に「吐き出して」いたのはごく一部で、ほとんどの方は飲み込んでいたように思います。さすがに注意されることはありませんが、大人ですから・・。

基本的スタンス

「初呑み切りはもともと酒質のチェックという、蔵内の重要な仕事でしたが、ある時に近いお客様に開放して以降、徐々に一般のお客さんがいらっしゃるようになり、現在のような形になった経緯があります。あくまで当方の仕事の延長としての位置づけですので、お酒を飲むことが目的の日本酒の会、あるいは最近あちこちの蔵元様で広く行われている蔵見学等を目的とした蔵開き(イベント)ではありません」というものです。
会場にはおよそ50~60本が並べられ、従来は酒造年度、酒母種類、原料米、酵母などが記載されたリストとアンケート用紙が配られていました。この点はブラインドへの変更が検討中です。アンケート用紙は配られますので、この提出は必須です。 貴重な勉強の機会ですので、参加者との意識の齟齬が広がって、中止になることのないよう願っています。蔵の業務の「お邪魔をしている」という心を持って、騒がずに「心の中で楽しむ」ようにしたいものです。
・食べ物の持込は禁止です。販売もありません。
・香水など臭い物は禁忌です。
・参加費については、「今回の変更点」のようになるのではないでしょうか。

時間帯によってはかなり混み合います。

今回の変更点 「猪口」

利き猪口が変更されます。従来は一合猪口が置かれて、これを使いまわしするプロ仕様と、自分専用の小さな猪口を各人が持って回り、1本1本自分で注いで飲む方法が併用されていましたが、今回から前者が無くなる方向で検討が進んでいるようです。「他人が口をつけたモノはイヤだ」という意見が寄せられ、実際に、ほとんどの人が後者を選択する現状からはやむを得ないでしょう。

今回の変更点「参加費」

例年、課題となる参加費について以下のように表明されました。
「年々、参加費をいただいた方が良いとの指摘が増えてきております。しかし、お客様にお酒の味を見ていただくのに、お金をいただくと言うことには今でも抵抗はありますので、自分の信念として、昨年も参加費はいただきませんでした。
 が、今年の日本酒のイベントで不老泉のブースにいらしたお客様が最初に「初呑み切りで参加費をとってください」と言われて、ここまで広がっていると驚いて以降、今まで考えてまいりました。
 結論として、初呑み切りに満足していただいた方やこれからもずっと継続してほしいと思われた方等より、金額も強制しない協力金として、中途半端なことになるかもしれませんが、まずこの方向で始めていこうかと考えております。」

今回の変更点「出品一覧表」

今回から番号のみ表示の「ブラインド」になることが検討されています。

従来は「当日来られましたら、陳列酒(試飲酒)一覧とアンケート用紙をお渡しいたします。いただきましたご意見は、商品出荷時期や来季の酒造りの参考にさせていただきますのでご協力をしていただけますようお願い致します」となっていましたが、今回は「現在は最初に一覧をお渡ししておりましたが、そして出荷商品はラベルを貼ったものを出品しておりましたが、先入観につながると以前より指摘を受けておりました。ですので、今年試験的に最初に一覧をお渡しせずに、出品酒も通し番号のみ貼り付けて、ブラインドでのきき酒にしてみようかと考えております。また、タンク・未出荷商品・出荷商品の順に並べておりましたが、そちらも変更することも検討しております」と変更が予定されています。会場にはおよそ50~60本が並べられ、アンケート用紙が配られることは同じだと思います。上記の趣旨なのでアンケートの提出は必須です。

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