2015/4/2の投稿 2015/3/29に行われた、蔵の”新酒まつり”で思わず購入した純米大吟醸 の新酒しぼりたて生原酒です。
普段の販売は市内中心部の城下蔵になりますが、「新酒まつり」はJR篠山口駅前の味間蔵で開催されます。
特徴 純米大吟醸がしぼりたて原酒で
このお酒は、米は38%精米の山田錦。アルコール度17~18%の生原酒、純米大吟醸です。アミノ酸度は1.3、日本酒度は+6。酒母は速醸。酵母は1801号です。この酵母はもちろん高エステル生産系の泡なし酵母ですが、特徴は、①酢酸イソアミル及び、カプロン酸エチル高生産性、②イソアミルアルコールが各種きょうかい酵母中で最少、③醗酵力が強い、④酸度が少ない、⑤酵母の識別が容易(協会HPより)というもので、鑑評会出品酒の定番になっています。②については、イソアミルアルコールは酢酸イソアミルの前躯体なので多量に生産される方がよいですが、一方、それ自身の溶媒様臭や酸化によって生じるイソバレルアルデヒドによるオフフレーバーが問題となるので、これの残存を少なくするという意味でしょう。
味わい 純米大吟醸らしい綺麗な味わい
味は、淡か濃かと問われれば「淡」。純米の大吟醸らしく、吟醸香も品を失ないほどにあり、甘みや酸味、苦みも微妙にバランスがとれてます。このあたり、丹波杜氏さんの腕でしょうか。灘酒と同じ方向性のようです。どんどん飲めてしまいますが、淡雪が溶けるようにというか、寂しいくらい後味が残りません。ただし、土台はしっかりしています。
丹波杜氏のふるさと
篠山市には丹波杜氏組合の事務所もある、丹波杜氏のふるさとです。
「新酒まつり」の蔵見学では中川杜氏自ら案内と説明をしていただきました。もちろん丹波杜氏組合所属で、後ほど、酒造り歌も披露されていました。見学の最初は蒸米。もうもうと湯気が立っているところを見るのは初めてですが、甑倒しは済んでいるとのことなので、イベント用に火を入れて下さったようです。45分くらいで2㌧の米を蒸し上げるそうです。蒸し上がった米は放冷機へ。その後、掃除機様のパイプで麹室や掛米に送られるそうです。
「もろみ」の仕込みは3段で、留添から数日経ったもの。これが飲ませてもらえるのがありがたいところです。甘酒のような見た目と違って甘みはあまりなく、酸味が強く感じられます。この段階でアルコール度は20%ほど。通常、留添から20日ほどで搾るというお話。現在はヤブタで搾っているとのことでした。なお、精米は委託。大吟醸クラスは山田錦の38%精米ですが、精米には約2日ほどかかるそうです。
純米大吟醸 鳳鳴 新酒しぼりたて生原酒 720ml 3,564円
味間蔵 篠山市大沢1丁目13-17
城下蔵 篠山市呉服町46