白鶴酒造「白鶴 荒駒 五百万石 純米生原酒 新米新酒」R1BY 兵庫県神戸市

灘御影郷の最大手、白鶴酒造さんが今シ-ズンの新米新酒のトップを切って予約限定で出荷する、「白鶴 荒駒 五百万石 純米生原酒 新米新酒」です。ネットで予約受付して、11月13日発送となりました。
なお、7月1日からはじまった新しい酒造年度については、とりあえず、令和1酒造年度またはR1BYと表記します。
白鶴 荒駒 五百万石 純米生原酒 新米新酒 720ml 1,498円

[Hakutsuru Aragoma Gohyakumangoku Junmai-nama-genshu] Brewery:Hakutsuru Brewery, Hyogo pref, Kobe city, Specific designations:Junmai-shu, Variety of raw rice:gohyakumangoku, Degree of rice polishing:70% Pasteurize:no pasteurized ,Yeast:orijinal ,Yeast starter:sokujo-moto method, Alc%:17-18% Fragrance:apple, Taste:fresh yet rich

新米新酒第一弾を五百万石で

白鶴酒造さんが新シーズンに新米を使って蔵出しする最初のお酒になります。原料米はもちろん早生となりますが、今シーズンは白鶴ファームが生産した五百万石。8月末収穫前の様子がFacebookにアップされています。精米歩合は70%、酒母は速醸酛で酵母はオリジナルになると思います。炭素濾過をしないで生原酒というのがコンセプト。アルコール度は17度以上18度未満、酸度2.1、アミノ酸度1.4、日本酒度は+4となっています。

旨味を味わう、荒々しくも姿がよいお酒

しぼりたての荒々しいお酒というコンセプトで「荒駒」と命名。醸造を監督した橋口杜氏による評価は「フレッシュで荒々しい旨味のある酒になった」というもの。
第一印象は瑞々しい透明感で、比較的早い立ち上がりのお酒です。まずは、米の甘味をベースに持つ綺麗な旨味が質感と重量感を持って膨らむ、ここが味わいどころ。冷たい方がより重めの印象です。これを追いかけて柑橘感のある酸味と苦味が広がりますが、意外に酸味がおとなしく、ほろっとした苦味が支配的です。ちょうどの頃合いにあっさりとキレ上がって、後を引きません。「荒々しい」とはいうものの、よくある「形のくずれる」お酒とは一線を画す、完成度の高い姿です。
ところで、ネット予約が3本セットなのは、開栓時期をずらしながら、「しぼりたて無濾過生酒」の味わいの変化を体験して欲しいという意味があるようです。

本社敷地にある白鶴酒造資料館。併設のショップがあり、普段も入れます。

特徴を前面に 大手の季節商品

大手メーカーというと、大量生産のお酒ばかりだと思われがちです。もちろん、経営的には多くの料飲店に卸すお酒がメインになるでしょうが、こうした少量生産のお酒が季節ごとに出され、こまめに情報収集することで、いろいろと楽しむことができます。
「白鶴 荒駒」は、2004年11月に発売を開始したもので、普段は提供できない特別な商品がコンセプト。店舗受注後に醸造する純米生原酒で、ネット通販では3本セットで受付し、今年は10月18日まで受付、11月13日に発送開始されました。事前発注していた小売店に行けば、1本ごとの購入も可能です。地元では阪神御影駅前の御影クラッセにある「白鶴MUSE」で購入できます。売り切れ時期は早そうです。「荒駒」は近年、春には「白鶴錦」を使用し、秋には新米「五百万石」を使用した純米生原酒の新米新酒が発売されます。活性炭濾過をしていない生酒のため、クール便で発送されます。

阪神御影駅前のクラッセ御影1FにあるHAKUTSURU MUSE

“白鶴ファーム”で米づくり

今回の五百万石を生産したのは、2015年に白鶴酒造が設立した農業法人「白鶴ファーム株式会社」ですが、この農業法人設立の目的は、①良質の酒造好適米の安定確保、②酒造業独特の労働力の季節変動対策(酒造りをしない夏場の余剰人員対策)、③農業者の高齢化により難しくなってきた水田圃場の維持確保となっています。ところで、この農業法人「白鶴ファーム株式会社」の所在地は、丹波篠山市の櫻酒造株式会社内におかれています。この櫻酒造は一般的にはほぼ知る人はなく、業界では知らぬ人はない酒造会社。独自ブランド「櫻一文字」を地元のみで展開していますが、主要には白鶴の原酒製造を行っており、清酒年間醸造量は6,000キロリットル、石数にすると33,000石余という大手酒蔵です。

丹波篠山市の桜酒造の広大な敷地

 

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