富久錦「富久錦 純米 にごり酒」R1BY 兵庫県加西市

兵庫県加西市の純米蔵、富久錦さんが今シーズン最初の新米新酒として、「しぼりたて」と「にごり酒」を11月20日に蔵出しされました。毎年の定番ですが、このお酒を見ることで今年の酒造シーズンの開始を実感します。
富久錦 純米 にごり酒 720ml 1,650円

[Fukunishiki Junmai nigori-zake] Brewery:Fukunishiki Brewery, Hyogo pref, Kasai city, Specific designations:Junmai-shu, Variety of raw rice:Kinuhikari, Degree of rice polishing:70% Pasteurize:no pasteurized ,Yeast:Kyokai No.901 ,Yeast starter:sokujo-moto method, Alc%:17% Fragrance:apple, Taste:fresh and fruity

”あらばしり”で”にごり”を濃厚に

原料米は地元加西市産のキヌヒカリ。精米歩合は70%です。酒母は速醸酛で酵母は協会901号といたってスタンダードな成り立ち。上槽は昨年導入の新型の搾酒機を冷温室に入れて、低温で管理しながら搾ったもので、3本の仕込みタンクの「あらばしり」の部分だけを集めたものです。柿渋などの滓引剤を使わず、自然に降りてくるものを抜かずに、かなり濃い「にごり」を演出しています。アルコール度は17度です。

開栓注意!新米を鮮やかに感じる旨味

にごりは、瓶の底から1/4ほどに集まって、上層と分離しています。まずは上層の澄んだ部分を試そうと開栓しましたが、見事に吹きこぼれました。冷蔵庫で静かに保存して、普通に開栓しましたが、上から3センチほどを失いました。開栓は注意です。この時点で十分に混ざってしまいました。
まずは、口当たりから強い炭酸の発泡がはじけます。次にやさしい甘味をベースにした米の旨味が豊かに膨らみます。ここはにごり酒の質感を感じる味わいどころです。これを追って、果実的な酸味と苦味が後半のフレッシュでキレの良い味わいを形づくり、心地よい余韻に完結します。
毎年、定番で出荷されるお酒ですが、「今までで一番旨い」という印象で、新米の鮮やかさを感じる”新酒にごり”らしい一本となっています。

おりが沈殿した状態と混ざった状態。予想以上の炭酸を含み、開栓は注意です。

キヌヒカリで米の味わいを感じて

令和1酒造年度の第一弾。米は早生の非酒造好適米であるキヌヒカリ(絹光)。食用適正に優れた米で、「もち米の方に近い」というお話でしたので、アミロペクチンの割合が高いものでしょう。精米は70%までで、「それより磨いて吟醸、大吟醸にするには雑味が出すぎる」ということで、純米、本醸造あるいは普通酒クラスで、米の旨みを味わうのに適しているようです。
キヌヒカリは兵庫県内で、一般米のなかでは酒造用に使われることが多い米で、播州地方でその傾向が強いように思われます。兵庫県産の平成30年産米検査結果(3/31速報値)によると、収穫量は8,245トンで水稲うるち玄米としては3番目の収穫量、醸造用玄米も含めると4番目となっています。(コシヒカリ23,185トン、山田錦19,664トン、ヒノヒカリ8,586トン、キヌヒカリ8,245トン)

定番のウッドソンの洗米機と甑が置かれた浸漬と蒸米の工程

第二弾は山田錦,袋搾り「下天の夢」

富久錦さんの新米新酒第二弾は、今年は12/12蔵出し予定の「下天の夢」で、これは新米の山田錦を使って、袋搾りで上槽するという凝ったお酒。新米山田錦をこの日程で出すのは、いかにも早すぎの感がありますが、これも一つの特徴で、購入後いつ開栓するかはユーザーの判断に委ねられます。

昨年導入の新型搾酒機は、低温管理のためこの部屋の中に置かれています

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