美冨久酒造「量り売り酒 蔵まつり限定 純米大吟醸新酒生原酒」28BY 滋賀県甲賀市

滋賀県甲賀市の美富久酒造さんは、毎月量り売りの生酒を販売していますが、これは3月25、26日に開催された「創業100周年記念2017年春の蔵まつり」を記念して販売された純米大吟醸の生原酒です。平成29年3月製造。写真は蒸米機。連続蒸米機ではなく甑を使っています。

量り売り酒  蔵まつり限定 純米大吟醸新酒生原酒 720ml 1,500円

印象 酸味を感じる穏やかな吟醸香

開栓で感じる鮮やかな吟醸香は、いつもの1801号よりは穏やかで柔らかな印象です。口に含むと、フルーティな甘味がけっこうありながら、さらにフルーティな質感のある酸味がかぶさって綺麗にキレていきます。18酵母に特徴的な苦みはあまり感じませんが、このあたりは19酵母的なところでしょうか。生らしいフレッシュ感と濃厚ではないフルーティ感が軽やかで、全体的に優しく飲みやすい仕上がりになっています。

特徴 米は彗星、酵母は1901号

米は北海道産の「彗星」を50%精米したもの。「どこで手に入れたんや」と思いますが、意外に近畿の酒蔵でも時々使われています。「北海278号(初雫)」と「空育158号(吟風)」を交配したもの。1996年に「空育170号」として試験栽培が開始され、2006年に酒造好適米として採用されると同時に命名されました。北海道の酒米では「味の吟風キレの彗星」と言われ、耐寒性に優れ、固めに溶ける特徴があります。
一方、酵母は1801号をベースに開発された協会1901号(KArg1901号)。尿素非生産性酵母でアルギナーゼ欠損株です。アルギナーゼはアルギニン酸をオルニチンと尿素に分解する酵素ですが、尿素がエタノールと反応してカルバミン酸エチルを生産します。このカルバミン酸エチルが発ガン性を疑われるとして、いくつかの国で輸入が制限されるため、これを回避する目的で開発されました。元が1801号なのでカプロン酸エチルは高生産ですが、1801号と比較するとカプロン酸エチルは低く、酢酸イソアミルは高い。また、酸度が高いという特徴があります。ここ数年、全国新酒鑑評会出品酒にも使われだしています。
なお、酒母は速醸でアルコール度は17度、酸度は未計測となっいます。

量り売りは毎月、生酒と山廃を中心に置いて

モダンなラインナップからは意外なクラシックな蔵の構え

こちらの蔵では毎月、量り売りの生酒を出しており、月によって、あるいは祭のときに異なったお酒を販売しています。量り売りだけでなく、「三連星」も生バージョンが年間販売と生酒を販売の中心に据えるという方針のようで、このあたりも人気の由縁でしょう。今年、創立100周年ですが、大正6年に愛荘町の藤居本家(「旭日」)から分家して、東海道の水口宿に創業。元の名は藤居酒造場ですが、昭和25年に現在の美冨久酒造に社名を変更しています。特徴として米は近江産米を中心に、水は鈴鹿山系野洲川の伏流水を井戸で汲み上げた後、濾過して使っています。また、酒母では「山廃仕込」を柱に置いていて、メインブランドの「美冨久」では純米吟醸から本醸造まで仕込んでおられます。平成27酒造年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。「今年も金賞とれそうですか」との質問に、峠杜氏さんは「いや、まぐれですよ」と謙遜されていましたが、平成26酒造年度には純米大吟醸を出品して入選するなど、意欲的取り組みが印象に残る酒蔵です。

 

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