本田商店「大吟醸 龍力 米のささやき 金賞受賞酒」27BY 兵庫県姫路市

2016/7/2投稿記事 熊本酵母で造る大吟醸「龍力 米のささやき」平成27酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞酒です。H28年6月製造。本田商店さんは兵庫県姫路市網干区に蔵を構えます。

特徴 YK-35を現代に適用する

このお酒は平成27酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞酒の醪から搾ったもの。今年度は親龍蔵、尚龍蔵の両方が金賞を受賞しましたが、どちらの蔵或いはブレンドなのかはわかりません。お米は全量兵庫県特A地区産の山田錦。このお酒に付けられた記号はYK-35A-35Bです。Yは山田錦、Kは熊本酒造研究所酵母、A35は麹米・酒母米の精米が35%、B35は掛米の精米が35%の意味です。酒母は速醸。上槽は、出品酒はもちろん袋搾りでしょうが、こちらはヤブタだと思います。アルコール度は17度以上18度未満。日本酒度は+3.5で酸度1.3、アミノ酸度0.9です。

印象 出品酒にも「米のささやき」の個性を変えず

香りは9号系らしいバランスのよい香りが濃厚ながらも派手々々しくなく香ります。鑑評会では昨今珍らしい9号系を使うのも「蔵のめざす酒質に合うため」というもの。お味も口の中で美しく綺麗な甘みと酸味が厚みと存在感をもってふくらみます。濃醇さが、しかし雑味少なく味わえる、「米のささやき」らしい独自性とも性格とも言えるものを持った酒です。

適温8℃に合わせて氷をひとかけら

酒遠計で検温

 蔵の薦める適温は8℃とかなり低めです。実際に8℃に合わせてみました。写真は酒温計ですが、燗にはいいのですが冷には反応が良くないようで、実際はアルコール温度計で計り直しました。これより高いと甘み酸味と旨みが柔らかながら軽く感じ。一方、低いと甘み酸味の感覚が弱まりながらもシャープさが重い感じですので、丁度のバランスが適温というところでしょうか。さらに「氷をひとかけら入れて」というお薦めに従うと、味の鮮やかさが増します。氷が解けても薄くなることはありません。いずれにしても、キレから後味に至るまで尖ったところがないのが特徴で、この蔵の丁寧な酒造りの所以でしょうか。

丁寧を特別の領域に

大正10年(1921年)に創業と意外に新しい蔵ですが、歴史を遡ると播州杜氏(別名「鵤(いかる)杜氏」)の系譜に連なり、元禄年間から酒造に携わっていたそうです。姫路市の西部、瀬戸内海に面した網干区にあり、仕込水は蔵の井戸から汲み揚げた揖保川の伏流水で、全硬度(mgCaCO3/L)で46と軟水です。メインブランド「龍力」は龍樹菩薩の御力の意。大吟醸の35%精米には100時間をかけ、洗米にも多大の労力を傾注。大吟醸用の麹室を別に設けて、低温発酵で仕上げるという、特別な何かではなく、各工程を突き詰めて丁寧に行っているというのが、その特徴ではないかと思います。さらに山田錦に対する、「特別」とも言えるこだわりもこの蔵の特徴でしょう。

山田錦への並々ならぬ思い

兵庫県の酒蔵にとって「山田錦」は地産の米であり、大事に扱われていますが、こちらの蔵にはとりわけ特別な思い入れを感じます。最上級酒「秋津」は特A地区の中でも最良の土壌を持つ秋津地区の農家に「もっとも良いと思う作り方で山田錦を作って」と依頼した米で醸した酒。もちろん、それなりのお値段ではあります。また、先代である現会長本田武義氏は姫路工大(現兵庫県立大)応用化学科を卒業後に酒造業を営む傍ら、京都大学農学研究科・土壌学研究室で酒米土壌研究を行い、数々の論文も発表されています。

論文「兵庫県北播磨地域における酒米「山田錦」の生産環境解析」

大吟醸 龍力 米のささやき 金賞受賞酒 720ml 5,400円

姫路市網干区高田361-1

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