茨木酒造「來樂 花乃蔵 月下美人」27BY 兵庫県明石市

2016/4/20投稿記事 兵庫県明石市の茨木酒造さんの農大花酵母(GE-1)を使った純米生原酒「來樂 花乃蔵 月下美人」27BYです。H28年4月製造です。

特徴 農大花酵母・月下美人(GE-1)を使った純米生酒

このお酒の特徴は農大花酵母のうち、月下美人酵母(菌株名GE-1)を使用しているところ。
使用米は五百万石。精米は65%です。アルコール度は原酒としては低めの17度。こちらの蔵ではアベリア酵母(菌株名AB-2)も吟醸酒で使われていますが、このお酒は純米酒となっています。

印象 酸の強いドライな色っぽさ

味の方は、爽やかな酸が支配的な印象。甘みもベースにはありつつも、やはり酸を強く感じます。香りもカプロン酸エチル系ではなく、どちらかと言うと酢酸イソアミル系の穏やかな香り。同じ花乃蔵シリーズのアベリア酵母版がカプロン酸エチル系の吟醸香とフルーティな甘みが特徴であるのと比較すると、フルーティでありながら、甘みが抑えられ、酸と甘みのバランスが異なっているいるところが、いつもの花酵母のお酒とは違った印象です。ベタな表現ですが、「大人の酒」でしょうか。女優で言えば天海祐希さん。結構、ドライな色っぽさです。
酸が強いと表現すると、「すっぱい」と誤解されますが、酢酸のそれとは違います。もっと爽やかなリンゴ酸の酸味です。

東京農大花酵母GE-1の特徴

 最近は花酵母のお酒が様々に造られるようになり、楽しみなことですが、嚆矢となるのは東京農大での研究成果と、OB達による実際の醸造でしょう。花から単離した酵母から清酒酵母としての醸造特性に優れたものを選抜して培養するわけですが、Yeastcidenという抗菌性物質を含有する培地を使うのが農大オリジナルで、一定の含有濃度まで清酒酵母以外の醸造酵母群の増殖を完全に抑制することができるそうです。これはたいへんな技術革新でしょう。
結果、多数の花酵母が生まれていますが、例えば、アベリアAB-2やなでしこND-4は抗セルレニン耐性が旺盛で、カプロン酸エチルが高生成になりますが、GE-1はK-9株を比較して相対的に酢酸イソアミル高生成となっています。
一方、酸の生産が旺盛なのが特徴で、ある論文で日本酒度、アルコール度、酸、アミノ酸はGE-1(+3、17.0%、2.0ml、1.4ml)AB-2(+4、16.4%、1.4ml、1.2ml)ND-4(+4、16.4%、1.4ml、1.8ml)となっています。清酒中の有機酸はコハク酸、乳酸、リンゴ酸が全有機酸量の80%程度だそうですが、同論文ではGE-1ではコハク酸に対するリンゴ酸のスコアは0.97と、とりわけ高い値を示しており、このお酒の特徴の理由になっているものと思います。なお、農大花酵母は農大花酵母研究会のメンバーのみが使用できる酵母で、もちろんこちらの蔵も農大OBで研究会のメンバーです。

「來樂 花乃蔵 月下美人」27BY 720ml 1,334円税抜

兵庫県明石市魚住町西岡1377

 

 

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