2015/6/13投稿記事 農大花酵母のうちアベリア酵母(菌株名AB-2)が使われた、平成26酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞酒です。こちらの蔵の初受賞となったお酒です。
特徴 花酵母を使って鑑評会金賞
このお酒は、山田錦の35%精米の大吟醸です。新酒鑑評会出品用の仕込みです。火入れはされています。
このお酒の特徴はなんと言っても酵母でしょう。東京農大花酵母のうちアベリア酵母(菌株名AB-2)が使われています。山田錦の35%精米は鑑評会出品酒としてはスタンダードですが、この酵母の選択がこのお酒を全くスタンダードではない性格にしています。花酵母は一般的に発酵力が弱く出品酒向きではありませんので、このお酒が金賞を受賞したことは話題になりました。
印象 濃密なフルーツ感
吟醸香は濃厚と言えるほど豊か。甘みも、35%精米のお酒としては格段に濃厚な味わいです。甘みや酸味の種類はフルーツ系で、濃縮ジュースのような印象すらあります。このあたりは花酵母の特徴でしょう。もっとも、同じ花酵母でも種類によって特徴は様々なようで、同じくこちらの蔵で造られている月下美人酵母(菌株名GE-1)のお酒はかなり異なった香り、味わいのお酒になります。東京農大花酵母研究会のHPによるAB-2の解説は「果実酒の様に甘くフルーティな香りとバランスの良い味わいです。 また、飲んだ後にキレを感じさせます」となっています。確かに綺麗にキレていきます。華やかさをもったお酒で、甘みも”香りの甘み”がそう思わせるのかもしれません。
花酵母研究会
こちらの蔵は新酒鑑評会に出品をはじめて4年目で金賞受賞となりました。それまでも大吟醸は造っていたけれど、出品はしていなかったそうです。「酒造仲間でもよく話題にの上るので」ということで、出品をはじめたそうです。かつては3000石を造っていたそうですが、桶売りが無くなって現在は200石ほどの造石量だそうです。しかし、地元明石地域ではかなりの人気とお見受けしました。蔵元の息子さんが杜氏をされていますが、もちろん東京農大出身。花酵母研究会のメンバーで、この他にも花酵母のお酒に取り組んでおられます。
來樂 大吟醸 山田錦35 720ml 3,000円
明石市魚住町西岡1377