千代酒造「篠峯 雄町 純米大吟醸 中取り生酒 Type 9」28BY 奈良県御所市

葛城山の麓、奈良県御所市にある千代酒造さんの「篠峯 雄町 純米大吟醸 中取り生酒 Type 9」28BYです。Type 9とは協会9号酵母の意味。同じシリーズに明利酵母と協会9号酵母を混醸したType Mもあります。

篠峯 雄町 純米大吟醸 中取り生酒 Type 9 720ml 2,160円(税込)

Brewery:Chiyo-shuzo Nara prefecture Gose city, Specific designations:Junmai-daiginjo-shu, Variety of raw rice: Omachi,   Degree of rice polishing:50%, Pasteurize:No pasteurized, Yeast:Kyokai No.9, Yeast starter:Sokujo-moto method, Alcohol content:16degree , Fragrance:apple,  taste:fruity and rich

この季節にピッタリのストレートでクラシカルなボディ

28酒造年度に新設された麹室

少し暑くなってきたこの季節に冷でピッタリ合う吟醸生酒です。
ラベルでは「穏やかな吟醸香としっかりした酸味が特徴の純米大吟醸です」と紹介されています。
まずは。やわらかな果実系の香りが立ち上がります。続いて、微細ながら比較的強い発泡感が舌先を刺激します。ここは生酒らしいところ。同時に舌先からたっぷりした甘味が口中に広がり、これを追いかけてしっかりした美しい酸が包み込んで膨らみながら流れていきます。甘味と酸の柔らかなふくらみが雄町らしいところ。吟醸酒ながらフルーティーでボディのある中取りらしいストレートな輪郭がクラシカルで心地よいお酒です。

赤磐雄町を9号酵母で味わい深く

原料米は岡山県の赤磐産雄町を50%精米したもの。酒母は速醸で酵母は協会9号酵母です。上槽はヤブタで名前のとおり中取りの部分になります。2017年4月製造の生酒です。アルコール度は16度で日本酒度は+6になります。こうして見るとスタンダードな内容ですが、使用米では雄町を使う割合が多いようです。仕込み水は自家井戸から汲む葛城山の伏流水。

日本酒の変化の魅力を伝える

2017年春の試飲会には52種の酒が供されました。

メインブランドは「篠峯(しのみね)」。他には自家栽培米を使った「櫛羅(くじら)」や「千代」も展開しています。使用米は山田錦と雄町が中心のようですが、雄山錦、北雫、伊勢錦、愛山、八反(錦か草か?)、亀ノ尾まであるという幅広いバリエーション。酒母も速醸から生酛、山廃まで。酵母は協会6号、7号、9号、明利酵母とこちらも多彩です。これらと上槽、澱引き、濾過のバリエーションを組み合わせて膨大なラインナップを揃えています。
御所市大字櫛羅(くじら)で明治6年(1873年)に創業。現在はかつてワイン醸造に携わっていたという蔵元は杜氏を兼任されているそうです。蔵の間近には葛城山が迫っており、ロープウェイの乗口や登山道への道筋にあります。葛城山の別名が「篠峯」ということで、1999年に限定流通ブランドとして立ちあげたのがこのお酒です。「変化する事の良さを日本酒で感じて頂きたい」ということで、「日本酒は酒蔵を出てからの変化をどのように飲み手の方に伝えていくかが問われてくる」「酒蔵だけでは完結しない日本酒の魅力を伝えたい」という発想が、多様な酒を造る由縁になっているのでしょう。
「生酛」は10年以上前から取り組んでいて、「山廃」は最近造りはじめたとのこと。生酛と山廃を両方造っている理由を問うと、「蔵のこれからの方向性をまだ探っている状態」という答えが。何かおもしろいことを表現してくれる予感があります。酒の変化とともに蔵の変化にも目が離せません。

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