櫻正宗「金稀 全国新酒鑑評会 金賞受賞酒」30BY 兵庫県神戸市

灘・魚崎郷の名門、櫻正宗さんが平成30酒造年度全国新酒鑑評会で金賞を受賞した大吟醸酒「金稀 全国新酒鑑評会 金賞受賞酒」です。白いガラス瓶に機械栓という櫻正宗らしい出で立ちで登場しました。令和元年6月製造。
金稀 全国新酒鑑評会 金賞受賞酒 720ml 4,860円

[Kin-mare  Gold prize of Japan Sake Award 2019] Brewery:Sakura-masamune , Hyogo pref, Kobe city, Specific designations:Daiginjo-shu, Variety of raw rice:Yamadanishiki, Degree of rice polishing:35%, Pasteurize:pasteurized ,Yeast:not open ,Yeast starter:sokujo-moto method, Alc%:17% Fragrance:apple, Taste:fruity and clear

出品酒の一般的な設計

原料米は兵庫県産山田錦。三木市吉川町の豊岡地区が櫻正宗の村米地区になっていますので、当然ながら、この特A地区産の山田錦であろうと思います。精米歩合は35%で、仕込水は「宮水」。酒母は速醸酛で、酵母は発表されていませんが、おそらく協会1801号ではないかと推測します。アルコール度は17度ですが、日本酒度、酸度、アミノ酸度の発表や表記はありません。こちらの蔵はスペック関係は必要記載事項以外は公表しないようです。

柔らかな甘味に櫻正宗らしさ

豊かな吟醸香は芳醇とも言えるリンゴ系の香り。特に上立香で感じます。口当たりから十分な味わいがありますが、これは涌き上がりながら膨らむ感じ。中心にあるのはしっかり整った甘味で、これに対応する酸味は繊細に調和します。最後まで五味がバランスしながら、変転することなく、苦味、辛味によって早めに消えるようなキレを見せます。
鑑評会に照準が合った酒質でしょうか、尖ったチャレンジというものでないのが櫻正宗さんらしいところ。「荒牧屋太左衛門」など大吟醸クラスのお酒とは少し異なる、姿形をはっきりさせた味わいですが、甘味の柔らかさに通低する個性を感じます。

現在、唯一の醸造蔵である平成6年(1994年)竣工の櫻喜蔵

特A山田錦、宮水、丹波杜氏

山田錦は三木市吉川町豊岡地区が契約生産地である「村米地区」になっています。この関係は単なる供給契約ではなく、100年にも及ぶ公私にわたるものとなっています。豊岡地区は特A地区と称される吉川町の山田錦生産地の東南に位置し、神戸市北区大沢地区と境を接しています。特A地区の山田錦の生産地としての特長は、土壌のほかに昼夜の寒暖の差の大きさや、山間の谷間にあることによる日照の短さがありますが、この豊岡地区はゆるやかな傾斜がある棚田状に田圃が連なっているもので、その風景はとりわけ美しいものです。
また、さすがに「宮水の発見蔵」らしい広い面積を持つ宮水井戸場は西宮市の宮水地帯の南に位置しており、かつての宮水地帯が台風による高潮や水害の影響で南限線が北上するなかで、もともと中心にあったものが南端の位置になったものと思います。
出品蔵かつ金賞受賞蔵は唯一の醸造蔵である「櫻喜(はなのき)蔵」で、杜氏さんは 丹波杜氏である原田徳英氏です。もちろん、 櫻正宗は代々丹波杜氏の系譜にあります。

櫻正宗の山田錦生産地である三木市吉川町豊岡地区。7月後半の美しい田んぼの風景

灘を代表する伝統蔵

寛永2年(1625年)に伊丹市荒牧村で創醸と、摂泉十二郷時代以来の長い歴史があります。灘での創業は享保2年(1717年)で、天保11年(1840年)に当主・山邑太佐衛門が「宮水」を発見。このときすでに「正宗」をブランド名としていたということで、酒名として広く使われている「正宗」の発祥もこの蔵になります。さらに、明治43年(1907年)には協会一号酵母が分離されるなど、日本酒の歴史をリードする存在でした。
現在はの生産量などの規模は、灘でも大関、日本盛、白鹿、剣菱、菊正宗、白鶴、澤の鶴の大手とは差があって、平成6年(1994年)竣工の近代的な櫻喜蔵の一蔵のみで、高級酒に特化した酒造りとなっています。

西宮市の宮水地帯にある「櫻正宗宮水井戸場」

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