菩提山正暦寺「菩提酛清酒祭」2019/1/12 奈良市

2020年1月11日開催はこちら

菩提酛発祥の地、奈良市の菩提山正暦寺で恒例の「菩提酛清酒祭」が行われます。これは「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」に所属する奈良県の蔵元が集まって、この日に菩提酛の酒母を造り、これを蔵に持ち帰ってその年の菩提酛による清酒を造るというもので、この工程を公開するとともにご僧侶による安全祈願を行う祭になります。従って、「歴史探訪型」のイベントで「酒飲み型」イベントではありません。

The Bodai-moto Sake Festival will be held at Syoryaku – temple in Nara City on January 12, 2019. Bodai-moto is an innovative yeast starter technology invented in Syoryaku-temple in the 15th century. Eight breweries in Nara Prefecture revived the technology that was lost 20 years ago. On that day those breweries will jointly brew Bodai-moto in the way of the 15th century.

2019年の菩提酛新酒祭は無事に終了しました。

日時と場所

日時:2019年1月12日(土)10:00~13:00 時間は目安です
場所:奈良市 奈良市菩提山町157番地 菩提山正暦寺 駐車場

交通

奈良市内とは言え、交通はとても不便です。
まずは、JR・近鉄奈良駅から天理駅ゆきバスで「窪之庄南」バス停(セブンイレブン前)へ。当日はここから送迎車が運行されます。送迎車発着場所はバス停から奈良方面へ少し戻った、喫茶「HERO」の駐車場です。送迎時間はおよそ9:00ごろからピストン輸送となります。現地まで4kmの距離です。複数運行ですが、混雑時は積み残しの可能性もあります。
歩く手もありますが、後半2kmは上り坂になります。
駐車場は80台。一部がイベントスペースに使われて減りますので、9時ころには着いておくと余裕でしょう。

当日に蒸しあげられる掛米は寺領で収穫されたもの

試飲、販売など

駐車場内の別のテントで参加蔵による菩提酛酒の有料試飲や販売があります。また、粕汁の振舞いが予定されています。いずれも小規模なものです。

15世紀僧房酒の再現的復活

「御酒之日記」に菩提酛あるいは菩提泉の記述があることが発見され、後の「童蒙酒造記」にも菩提酛の記述が確認されました。しかし、この手法は地元奈良の酒造現場でさえ認識されることがなかったものを、奈良市の安川酒造の先駆的取り組みの後、平成8年(1996年)7月に奈良県の若手酒造家を中心に「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」が県工業技術センターや正暦寺を賛助会員に迎えて発足。手法としての菩提酛づくりではなく、当時の再現としての菩提酛づくりを目指して、平成10年(1998年)に再現に成功しています。この菩提酛の特徴である酒母づくりを、毎年発祥の地、正暦寺で行うのがこの祭です。

仕込まれた酒母。後日、各蔵に分けられて、今年の菩提酛酒の酒母になる

当日の工程

事前に麹米は準備されています。また、菩提酛特有の手法である「そやし」水も用意されています。これは生米と炊飯米、正暦寺乳酸菌を含んだ裏山の湧き水を混ぜたもので、乳酸を大量に含んだ仕込水です。現地では甑で掛米を蒸しあげます。できあがった蒸米を切り出して、筵の上で放冷し、酒母に投入します。その際にそやしも添加されますが、酒母に麹米に合わせて炊飯米を加えるのが独特の工程になります。こうした作業のおよその説明とご住職による菩提酛復活の説明があります。

菩提酛特有の「そやし」
手作業で行われる放冷

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