大門酒造「DAIMON 45 純米大吟醸」30BY 大阪府交野市

生駒山脈の西側、大阪府交野市にある大門酒造さんが、ラインナップを編成し直して登場した純米大吟醸酒「大門45」です。「利休梅」と「DAIMON」の2ブランドを展開します。DAIMONシリーズは、35を筆頭に、UMAMI、CRISP、MELLOWというシリーズ建てでしたが、今シーズンから35、45、55に変わっています。写真右が咲き誇る「利休梅」の花。
DAIMON 45 720mℓ 3,780円

[DAIMON 45] Brewery:DAIMON Brewery Osaka pref ,Katano city, Specific designations:Junmai-daiginjo-shu, Variety of raw rice:Yamadanishiki, Degree of rice polishing:45% Pasteurize:pasteurized ,Yeast:Kyokai No.KT901 ,Yeast starter:sokujo-moto-method, Alc%:18% Fragrance:apple, Taste: sour and rich

酸を高生産にした純米大吟醸

兵庫県産山田錦を45%精米したところが名前の由来。酒母は速醸酛で酵母は酸の生産に特徴がある協会KT901号です。アルコール度は18度、日本酒度は+3、酸度2.5、アミノ酸度2.2となっています。火入れはされています。

燗で本当の姿が現れる

燗で真骨頂が現れます。まずは「ひや」で。甘味を持ちながらフルーティな酸味が勝ります。濃醇でありながら、たっぷりの酸で軽い味わいに感じます。
次に燗をつけます。純米とは言え「大吟醸を燗するのか!」しかも「この値段の酒を」という躊躇を乗り越えましょう。温度は55度と高めに。ここで、形のしっかりした酸の塊が崩壊して広がり、底からは甘味、旨みが立ち上って混ざり合い、頃合のバランスに到達して、ふくよかな味わいが膨らみます。
これは必ず、是非とも燗で味わってください。

KT901号酵母

協会901号酵母から分離され、平成20年から販売が開始された協会酵母がKT901号で、その特徴は「従来のK-901に比べて、もろみの酸度が0.5~0.8mlほど高くなる酵母」というものです。この酸は「味に爽やかさと旨味が増すリンゴ酸とコハク酸が増えます」となっており、その結果、「お燗酒や味の濃醇なお酒造りに適す」と日本醸造協会で紹介されています。
さらに、開発者によると、「酸代謝に変化の生じた、特定の有機酸にはこだわらない酸生成の多い清酒酵母を育種し、実用に至った」もので、リンゴ酸高生産酵母の育種が多く取り組まれているなかで、リンゴ酸とともにコハク酸も高生産である酵母の開発に成功したものです。

国外のSAKE造りを応援

蔵開きで蔵元さんに紹介された North American Sake BreweryのAndrew Centofanteさん

少し変わった酒蔵という印象です。それと言うのも、いつ行っても外国からの来訪者を見かけるというもの。それも団体ではなく個人のツーリストが訪ねてくるという風情です。最近は珍しくはない外国人の蔵人さんもいらっしゃるようですが、その他にも1年に1回、醸造研修を開催して、国外での日本酒製造の手助けもしているそうです。
4月13日に蔵開きが開催されましたが、この時もアメリカ、バージニア州にあるNorth American Sake BreweryのAndrew Centofante,さんが実習に来られていて、ステージで紹介されていました。
アメリカだけでなく、ヨーロッパでもSAKEのマイクロ・ブリューワリーが次々と立ち上げられています。この人たちは自分自身で酒を造ろうとするところがすごい。もちろん、日本から酒造技術者を招くこともありますが、基本は自分が酒造技術を習得して、自身で造ろうというものです。しかも、すぐに醸造所を立ち上げるという行動力には驚き、また敬服もします。こうした動きが日本酒の本当のグローバル化を進めるものと期待もしています。

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