2016/11/4投稿記事 大阪府の南部、阪南市尾崎にある浪速酒造さんの「浪速正宗 純米大吟醸」27BYです。H28年10月製造の火入れです。
特徴 明利M310酵母の純米大吟醸
このお酒は山田錦を50%精米した純米大吟醸。アルコール度は16度以上17度未満、日本酒度は+4です。酒母は速醸、酵母は明利酒類のM310です。
印象 端正で繊細な旨みと切れ味
上立香は比較的おとなしいリンゴ系が勝った香り。口中香になると明利らしい青い果実系の甘くもさわやかな香りが広がります。こちらの吟醸酒はM310を使うそうでですが、27酒造年度鑑評会で入賞した大吟醸に比べると、やはり純米大吟醸らしい穏やかさです。味わいは甘さをベースに酸味はわずか。苦味辛味が芯になりつつ、中心ではしっかりした味わいで、周辺は消えるように溶けていく印象です。フルーティながら、端正で繊細な旨みと切れ味を楽しむお酒です。料理のお供ではなく、単独で酒を楽しむための純米大吟醸らしいお酒です。
機械がほとんどない手作り蔵
写真は大正時代に建てられた木造蔵の2階で、蒸米を放冷するための簀子があります。今どきは小さな酒蔵でも放冷機を使うのが当たり前ですが、こちらではコンベアで上げて、手作業で冷やしています。自動製麹機はもちろん、連続蒸米機も無く、ヤブタ以外には機械らしい機械がないというのもこの蔵の特徴でしょう。醪も数本のサーマルタンクのほかは開放型のタンクが並んでいます。
こちらの蔵は享保元年(1716年)に現在地で創業。「この水があればこそ」という創業以来枯れたことがない和泉山脈を源とする硬水が、蔵の井戸、地下7mを水面として豊富に湧いています。現在の蔵元は10代目となる成子和弘社長。杜氏さんは先代の南部杜氏に師事し、自身も南部杜氏組合所属の成子嘉一杜氏。姓は同じですが、親戚でもないそうで、この地域ではよくある姓だそうです。
浪速正宗 純米大吟醸 720ml 3,240円
大阪府阪南市尾崎町3-13-6