西山酒造場「小鼓 壺中楽 大吟醸 無濾過生原酒」27BY 兵庫県丹波市

2016/3/21投稿記事 兵庫県丹波市市島町にある㈱西山酒造場さんの「小鼓 壺中楽 大吟醸 無濾過生原酒」27BYです。H28年3月製造です。名前は「こちゅうらく」と読みます。

特徴 澱残る濾過前の鑑評会出品酒

このお酒は平成27酒造年度の全国新酒鑑評会に出品するために造られたお酒です。3月19、20日開催の「大吟醸生しぼり酒祭」で限定販売されました。出品酒の販売は4年ぶりだそうです。主要な要素ですが、米は山田錦を40%精米しています。仕込水は蔵内の井戸から汲んだ軟水。酒母は速醸で、酵母は「きょうかい1801号」。搾りは「佐瀬式」で、滓は引き切っていないので若干残っている状態の原酒というお話でした。もちろん濾過前で、名前のとおり火入れはされていません。アルコール度は17度です。実際の出品酒は、一般的には袋搾りをして、滓引き、濾過、火入れをするでしょうから、全く同じものではないと思います。加水調整もするかどうかはわかりませんが、17度なら必要無いかも知れません。

印象 輪郭のはっきりした1801らしい原酒

さて、お味ですが、さすが出品酒。1801らしい華々しいカプロン酸エチルの吟醸香が広がります。「18単独だと弱い面があるが、今回はうまくできた」そうで、「手ごたえ」を感じているそうです。甘みも十分にあり、それをどう切るかというところですが、さすがに酸で切るという感じではなく、苦みでバランスさせながらキレていくと感じました。「ふくらみ感」ではなく、「輪郭をはっきりさせた」コンセプトだと思います。3月末の出品期限まで、どのように変化をコントロールされるのか、結果が楽しみです。(H27酒造年度全国新酒鑑評会の結果は入賞でした)

世界20か国に輸出する人気蔵

丹波市、京都と接する市島町の蔵

嘉永2年(1849年)創業。「小鼓」の名は俳人でもあった3代西山泊雲と親交の深かった高浜虚子の命名。この特徴のあるボトルやラベルは綿貫宏介デザイン。酒の命名も「路上有花(ろじょうはなあり)」など個性的です。

もちろんデザインだけでなく、多分ここでしか使っていない「但馬強力」を復刻する一方、世界20数カ国に輸出。海外のコンテストにも多数出品するなど、丹波の片田舎?にあるとは思えない先進性も特徴でしょう。このことに関係するかも知れませんが、こちらは社長をはじめ、蔵人さんも皆さん若いという印象です。一方、写真のように蔵の建物は古いです。

また、年間醸造で醸造量は12~3百石ほどでしょうか。「フレッシュローテーション」を掲げて、製造から1~2か月で販売するという酒造りもされていて、注目されることだと思います。様々なところで興味の尽きない「楽しそうな」蔵ですので、改めてご紹介の機会もあると思います。

平成24酒造年度 全国新酒鑑評会 金賞
平成25酒造年度 全国新酒鑑評会 入賞

小鼓 壺中楽 大吟醸 無濾過生原酒 720ml 3,000円(催事限定価格)
兵庫県丹波市市島町中竹田1171

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