岡村酒造場「千鳥正宗 生本醸造 有馬しぼり」R1BY 兵庫県三田市

兵庫県三田市の岡村酒造場さんが、今シーズンに発表した新作「千鳥正宗 有馬しぼり」です。本醸造の無濾過生酒というコンセプト。例年、12月には「生酒 しぼりたて」「生純米酒 三田しぼり」「生赤米酒 古代しぼり」が発売されますが、これに新しいラインナップが加わりました。阪神間から近い距離にありますが、田園地帯での米作りから一貫した酒造りはワインのシャトーを思わせます。
千鳥正宗 生本醸造 有馬しぼり 720ml 1,100円

[Chidori-masamune Arima-sibori] Brewery:Okamurasyuzojo, Hyogo pref, Sanda city, Specific designations:Honjozo-shu, Variety of raw rice:Gohyakumangoku, Degree of rice polishing:70% Pasteurize:no pasteurized ,Yeast:kyokai No.701,Yeast starter:sokujo-moto method, Alc%:17-18% Fragrance:straw, Taste: fresh and sweet

五百万石のしぼりたて本醸造を無濾過生で

原料米は自家田の五百万石。精米歩合は70%。酒母は速醸酛で酵母はきょうかい701号とスタンダードな成り立ちです。ヤエガキ式での上槽の様子はFacebookの動画で見ることができます。滓引き剤を使わずに滓を自然沈殿させ、濾過、火入れをせずに12月6日に蔵出しとなりました。滓の部分は他の酒の滓と合わせて1月中旬に発売されます。アルコール度は17度以上18度未満となっています。

甘味を中心に果実的酸味で軽やかに

「やや甘口。フレッシュな香りと味わい」という蔵の紹介です。麦わらのような香ばしい香り。口当たりからやわらかい甘味がひろがり、その周りを果実的な酸味が巡ります。甘味だけではくどくなりそうですが、頃合いに混ざり合って、ほどよい味わいをつくります。後半にはフレッシュで柑橘的なほろ苦さと酸味が徐々に強まりながら、すっきりとしたキレに至って後を引きません。発泡感はありませんが、やさしい甘味のなかで、本醸造らしい軽みも感じる味わいとなっています。

いつも綺麗に整理、清掃されている直売所には新しい暖簾

”テロワール”という循環

明治22年(1889年)創業。兵庫県三田市の東部、木器(こうづき)地区に蔵を構えます。その立地は田園地帯そのもので、酒蔵で使用する米の多くが自家田で耕作するもの。「古代しぼり」に使われる古代米(赤米)とその他の酒に使われる五百万石は4月に種まき、5月には赤米、続いて五百万石の田植えが行われ、9月初旬に五百万石が、10月はじめには赤米が収穫されます。等級検査の後、委託精米に出し、酒造りは11月にはじまるそうです。酒造りに携わるのは杜氏も兼ねる蔵元さん夫妻と娘さんの3人と近所のパートの方。米作りから一年を通して造った酒は、大半は地元三田市内に出荷されています。
まさに”テロワール”という循環ですが、米作りから酒造りの様子は、こまめに更新されるFacebookで見ることができます。

生酒のシリーズは12月から2月に

12月に新酒の発売がはじまり、「生酒 しぼりたて」「生本醸造 有馬しぼり」「生純米酒 三田しぼり」「生赤米酒 古代しぼり」が次々に蔵出しされます。この「生本醸造 有馬しぼり」は今年からのラインナップ。「有馬」は近隣の山名、有馬富士からだと思います。有名な有馬温泉は車で30分ほどの距離ですが、地域的には地元ではない感じです。1月にはそれぞれの”おり”を集めた「生銀冠 おり酒」、2月には「生三田壱」と続きますが、生酒のシリーズは早めに完売となるようです。

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