沢の鶴「沢の鶴 灘の生一本 2019年」30BY 兵庫県神戸市

灘酒研究会・酒質審査委員会が認定する2019年「灘の生一本」プロジェクトに参加した灘五郷のうち西郷(にしごう)にある沢の鶴さんが認定を受けた特別純米酒です。特A地区である実楽産の山田錦を使った生酛という贅沢な一本で、2019年9月製造。原酒であり、レギュラーラインナップの「特別純米酒 実楽山田錦」とは異なるお酒です。
沢の鶴 灘の生一本 2019年認定 720ml 1,260円(税8%込)

[Sawanotsuru Nada-no-kiippon-2019] Brewery:Sawanotsuru Brewery, Hyogo pref, Kobe city, Specific designations:Tokubetu-Junmai-shu, Variety of raw rice:Yamadanishiki ,Degree of rice polishing:70% , Pasteurize:pasteurized ,Yeast:Kyokai-yeast ,Yeast starter:Kimoto method, Alc%:18.5%, Fragrance:grain, Tast:rich

特Aの実楽山田錦、生酛特別純米

それぞれの酒蔵が特長と個性を競ったお酒を出品する「灘の生一本」ですが、沢の鶴さんは生酛の特別純米酒となっています。使用米は契約田であり、特A地区の兵庫県三木市吉川町実楽地区産の山田錦を全量使用。仕込水は自家井戸を持つ「宮水」。精米歩合は70%です。酒母は生酛で酵母は協会酵母、おそらく、701号あたりかと思います。アルコール度は18.5度という原酒で、日本酒度は+1.5、酸度は2.0、アミノ酸度は1.5となっています。

冷も燗も 豊穣の酸と甘味

穏やかな香りは穀物的で、わずかに果実的な色合いを感じるもの。ラベル表示の推奨温度は冷(15℃近辺)または燗(40~45℃)とされています。まずは冷で。立ち上がり早く、 まろやかで豊かな酸味がとろけるように膨らみます。米の甘味がこれを支えて、質感十分な旨味に到達しながら、ほのかな苦渋味で早いキレに結びます。次に燗(45℃)では、たっぷりした米の甘味が膨らんで酸味と溶け合い、豊穣な旨味感で口の中をいっぱいにしながら、これも早いキレに結びます。いずれも甲乙つけがたい充実した味わい。生酛らしいしっかりした土台で、姿が崩れたることがありません。
このお酒の認定は「このお酒は生酛造りの純米原酒です。コクのある豊かな味わいで、香りと味が調和し、後口のキレが良いお酒であることを認定します」で、甘辛は「中」、濃淡は「ややコク」、香りは「おだやか」となっています。

特A吉川町実楽(じつらく)地区の栽培地。山田錦らしい重い穂をつけた9月半ばの田んぼ

灘酒研究会のプロジェクト

100年以上の歴史をもつ灘酒研究会は灘と近隣の酒蔵の醸造技術者が、企業の枠を超えて結集した組織で、その中につくられた酒質審査委員会がこの「灘の生一本プロジェクト」を実施しています。その目的は「醸造の専門家として酒質の審査基準を制定。プロファイリング法による酒質評価と、灘を代表する技術者達の経験に基づく評価の両面から厳しい審査を行い、今まで各社の自主判断で行ってきた味と香りの表現を統一、認定」するというものです。味わい、香りタイプに加え、味覚表現項目は味について26種、香りについて13種の統一基準に照らし合わせて、「官能評価」「認定協議」などが行われ、記載可能な酒質表現と評価が決定されます。従って、いわゆるコンテストではありません。

「灘の 生一本 」特別先行試飲会

沢の鶴 純米酒と生酛に特徴

日本酒業界の一角を担う大手酒造メーカー。純米酒の販売額日本一であり、ホームページも純米酒を強く押し出しています。この特徴は高級酒だけでなく、ヒット商品となった「米だけの酒」という、当時では考えられない、パック酒を純米で造ったことに代表されます。一方、生酛造りの酒が多いことも特徴で、山田錦の生酛純米という酒を、コストを考えると驚くような低価格で出しておられます。
今回も生酛での出品となりました。今年の「灘の生一本」で生酛は菊正宗、沢の鶴、浜福鶴(小山本家)の3蔵で、速醸系が5蔵、独自酒母が大関の1蔵で、山廃が剣菱の1蔵となっています。灘は歴史的・伝統的に生酛造りが基本で、伊丹から移ってきた剣菱さん以外に山廃は無かったのですが、最近は泉酒造さんなど山廃を製品化するところも出てきています。
私は生酛の純米大吟を鑑評会に出品して金賞をとって欲しいと、無理は承知で思っていますが、純米大吟で3年連続金賞の沢の鶴さんには密かに期待しています。

瑞宝蔵の蒸米室

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