白鶴酒造「別鶴 木漏れ日のムシメガネ、陽だまりのシュノーケル、黄昏のテレスコープ」30BY 兵庫県神戸市

白鶴酒造さんの若手社員8人がプロジェクトチームを立ち上げ、クラウドファンディングを募った新ブランド「別鶴」の3種のお酒ができあがりました。各部門にまたがるメンバーが2年間をかけて「これまでに無いものを」という目標でつくり上げ、2019年4月に蔵出しされました。
別鶴 木漏れ日のムシメガネ 720ml 
別鶴 陽だまりのシュノーケル720ml 
別鶴 黄昏のテレスコープ  720ml 
クラウドファンディングのリターンとして出資者に送られました。一般販売は各2,700円(税込)でネット予約受付中。2019/6/6出荷予定となっています。

Hakutsuru Brewery has announced the launch of its new brand, BEKKAKU. BEKKAKU has a lineup of three types of Sake based on the concept of “an unprecedented Sake”. The three Sake were named “The magnifying glass in a sunbeams”, “The snorkel in a sunny spot”, and “The telescope in a twilight”.
BEKKAKU brand sake is characterized by low alcohol, fruity aroma and sweetness.
The characteristic of “The magnifying glass in a sunbeams” is the smell of lemongrass and the refreshing acidity. “Snorkel in a sunny spot” features citrus acidity and bittersweetness. The characteristic of “The telescope in a twilight” is the ripe grape-like aroma and sweetness.

3種の独自酵母でオリジナリティを表現

低アルコール、フルーティな香りと味わい、高い甘味が共通点です。共通点を持ちながら、それぞれ特徴の異なったお酒に仕上がっています。
使用米はすべて白鶴錦で、精米歩合は木漏れ日のムシメガネと黄昏のテレスコープは70%、陽だまりのシュノーケルは78%です。酒母は速醸酛で酵母は白鶴酒造の400を超える自社開発ライブラリーから選ばれたもの。それぞれが実用に至らず“お蔵入り”になっていたものを、フレーバーなどをキーに試験を繰り返して選んでいます。それぞれの一部分を杉樽に貯蔵して戻すことで樽の香りや成分などを付加する試みにも挑戦しています。

本店2号蔵で醸造された「陽だまりのシュノーケル」の醪

木漏れ日のムシメガネ

日本酒度がとりわけ低く強い甘味がありますが、高い酸度と樽酒の香りがこれとバランスしながら、独特の香味に到達しています。
アルコール度は11%、日本酒度は-45、酸度は+6.0となっています。3つの内で最も発酵力の弱い酵母で、実醸造でも心配をし続けたなかで完成しました。
「レモングラスの香りと爽やかな酸味」がポイント。「青々としたさわやかな香り」をキーに、ビールホップの香りを造る酵母を選んでいます。この酵母がとりわけ弱く、醪の温度を20度に上げるなどの対応をしています。なかなか発酵が進まないなか、突如として進みだした時には、「他のタンクの酵母菌が混ざり込んだんじゃないか」と心配させたものです。樽貯蔵は18ℓを10丁分と他の2つの3~5倍の量が使われています。

ラベルに開けられた窓から中の風景を除くことができます

陽だまりのシュノーケル

ジューシーな甘味がたっぷりとありますが、柑橘系の力強い酸味とホロリとした苦味が合わさったキレがあり、たっぷり楽しめるお酒になっています。
アルコール度は12%、日本酒度は-30、酸度は+4.0となっています。独特の酸が立ち上がりますが、これは白麹を一部使用したものになっています。4月2日に上槽。
「柑橘類の果皮のような香りとほろ苦さ」「しっかりした酸味とほのかな苦味でゴクゴク飲みたくなる酒質」をポイントに、柑橘系の酸味とほろ苦さを特徴として、これを実現する酵母を選抜したものです。独特の酸味を得るために、麹の一部に白麹を使用することで、クエン酸の生産を得て、独特の香りと味わいを実現しています。

ゴーグルの窓から反対側のラベル裏に描かれた海の風景がみえます。

黄昏のテレスコープ

黄昏のテレスコープ
熟した甘いブドウの香味が独特の味わいを作っています。長く引く余韻を楽しみながら、少しずつ味わう気分に浸ります。
アルコール度は12%、日本酒度は-35、酸度は+2.5となっています。目標とした香味の実現が難しく、試験醸造を2度行うという苦心の作になっています。4月3日に上槽。
「完熟した果実のような芳醇な香りとまったりとした甘味」「ブドウのような香りと甘味、適度な酸味があるゆっくりと飲みたくなる酒質」をポイントに、「完熟したブドウやイチヂクの香り」を求めて酸味に特徴のある酵母を選択した結果、甘い香りも得ることができたもの。程よい酸味を残して酒を造るという上槽のタイミングが難しく、実製造テストでは1度目で満足できる結果が出ず、唯一、2度目を行うことになったそうです。

望遠鏡の窓からは茜色の空が見えます

チャレンジ にあふれた意欲作

クラウドファンディングの蔵見学コースではプロジェクトチームの解説もありました。

低アルコール

低アルコールを得るために加水はせず、原酒の段階で実現するというもの。このため、発酵力の弱い酵母を低い汲水歩合で育成するという難しいタスクを微妙な温度管理を駆使して実現したものです。「お蔵入り」していたため、誰も経験のない酵母で、予想外の事態の対処をプロジェクトメンバーが自分たちで解決しなければなりませんでした。

杉樽

上槽した酒の一部を約1週間にわたり杉樽に貯蔵することで、杉のフレーバーや爽快感を感じる成分を得るという発想を実現しました。杉樽はほとんどが吉野杉ですが、まずは、白鶴酒造が仕込水を得ていることから、「六甲山の杉が使えないか」と原木から探し回ったものの適材が見つからず、範囲を広げて「兵庫県内の杉を」と、これも原木から探しました。しかし、当初は樽屋さんから「樽丸にできない。無理だ」と言われて拒否されてしまいました。樽丸とは樽の回りの曲面をした部材ですが、これに適するのは幼木から専用に管理された杉材の一部だけ。なんとか篠山で使えそうな1本の原木を見つけ、これを吉野に送って樽丸に加工してもらい、それを灘の樽屋さんで酒樽に仕上げてもらいました。この原木から14個の樽が出来上がっています。

ネーミング

この少し変わったネーミングもプロジェクトメンバーで考えたもの。誰が最終決断するか分からず「これが一番苦労したかも」という声も。
木漏れ日のムシメガネは「天気の良い午後、柔らかな光が差し込む木陰に座って、ゆったり気分に乾杯!」というイメージから。
陽だまりのシュノーケルは「燦々と降り注ぐ太陽と澄みわたる青空の下、開放的な気分に乾杯」というイメージから。
黄昏のテレスコープは「茜色に染まった夕暮れ時、これから始まる夜宴に向けて早めに乾杯!」というイメージから。

パッケージングも凝っています。3本セットに入れられた解説シートも窓を表現。
パッケージの箱に開けられた穴は解説シートの絵に合わせられています。

 

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