富久錦「純青 愛山 生酛純米吟醸 無濾過 一火」「純青 短稈渡舟 生酛純米 木桶仕込み」30BY兵庫県加西市

兵庫県加西市の富久錦さんが純青サポーターに対し平成30酒造年度2回目に配布した2本。昨年に続くチャレンジとなる「純青 短稈渡舟 生酛純米 木桶仕込み」と「純青 愛山 生酛純米吟醸 無濾過」で、こちらは昨年は生酒でしたが、今回は1回火入れをサポーター限定で配布しました。平成30年4月製造。
純青サポーター 年会費10,000円(税別) 3回6本(各720ml)

[Junsei Aiyama kimoto-junmai-ginjo Muroka itibi] Brewery:Fukunishiki Brewery, Hyogo pref, Kasai city, Specific designations:Junmai-ginjo-shu, Variety of raw rice:Aiyama, Degree of rice polishing:60% , Pasteurize:pasteurized ,Yeast:Kyokai No.601 ,Yeast starter:Kimoto method, Alc%:16%, Fragrance:pear ,Taste:fruity
[Junsei Tankan-wataribune kimoto-junmai Kioke-shikomi] Brewery:Fukunishiki Brewery, Hyogo pref, Kasai city, Specific designations:Junmai-shu, Variety of raw rice:Tankan-wataribune, Degree of rice polishing:60% , Pasteurize:no pasteurized ,Yeast:and unknown ,Yeast starter:Kimoto method, Alc%:16%, Fragrance:rice ,Taste:sour and rich

蔵のまわりには堀のような水路がめぐる。

愛山は1回火入れ 短稈渡舟は6号酵母

愛山を使った「純青 愛山 生酛純米吟醸 無濾過 一火」は、精米は60%。アルコール度は16度です。昨年は生原酒でしたが、今回は「純青サポーター オリジナルVer」として1回火入れとなりました。この火入れは純青サポーター専用になります。愛山の生産者は西脇農園で、酵母は不明ですが、9号系だと推察されます。
次に大正時代に作られ蔵に残っていた木桶を昨年に再生し、往時の酒造りにチャレンジして2年目となる「純青 短稈渡舟 生酛純米 木桶仕込み」です。こちらは生酒になります。今回も豊倉町営農組合が生産した短稈渡舟を使っています。精米は60%でアルコール度は16度。酵母は協会601号。短稈渡舟は「滋賀渡舟2号」として滋賀県で開発され、一旦、栽培が途絶えていたものが復活されたもので、最近は各地の蔵で使われています。
元々は3月蔵出しの予定でしたが、木桶仕込みが遅れて4月にずれ込みました。

まったく異なった酸の比較が楽しみ

いずれも酸味が味わいの中心に座ります。しかし、2つの酒の酸は全く異なるものです。「純青 短稈渡舟 生酛純米 木桶仕込み」の酸は骨太く力強いもの。一方の「純青 愛山 生酛純米吟醸 無濾過 一火」は華やかに立ち広がるフルーティな酸味です。言い方を変えれば、短稈渡舟は縦に厚みを増す酸味。愛山は横に広がる酸味です。蔵の紹介によると短稈渡舟は「ふくらみのある柔らかい旨みが特長」「木桶仕込みならではの優しい表情、そして爽やかな酸を合わせ持った」というもの。一方の愛山は「愛山特有のほのかな甘みとボディの厚みを感じる生酛らしい酸」となっています。
昨年と比べると、甘味が抑制されています。この辺りは、「昨年より麹を固めに締めて、醪を長めにとった」ことでジューシーさから離れようとしたもの。その結果、余計な部分がシェイプされた姿になっています。上槽の機器と方法を変えたことも理由になっているかも知れません。「短稈渡舟 生酛純米 木桶仕込み」は生酒ながら、キレが素早く後を引きません。「愛山 生酛純米吟醸 無濾過 一火」は酸でキレ上がった後、ほのかな余韻を残します。
温度的には冷やすより”ひや(常温)”が適度。特に短稈渡舟は酸の固さが崩壊して旨味があふれます。

今年も伊藤岱玲作 の盃がプレゼントに。

2年目になる「木桶仕込」への挑戦

ホーローの開放タンクとサーマルタンクが並ぶ醸造蔵に設置された二つの木桶が特徴のある風景になっています。これは大正5~10年ごろに誂え、蔵に保管されていた木桶を、昨年に組み直したもの。「木桶」は最近のトレンドの一つで、いくつかの酒蔵で見かけるようになりました。その多くが新調ですが、古い桶を復活したことで、この桶に住んでいた乳酸菌も復活し、このお酒の特徴を作り出した可能性もあります。現在、このサイズの木桶が作れるメーカーはほとんど残っておらず、貴重な資産になることでしょう。昨年は「酒も染み込み、木が呼吸をする。予想外の温度変化への対応が試される」なかで、往時の酒造りを体験したということでしたが、今回は「2年目の仕込みでようやく温度管理のコツをつか」(炉火純青VOL17)んだため、醪に冷菅を入れずに「自然な温度の推移を経てしぼることができ」たものとなっています。一方、「自然な温度管理を意識したため、発酵の推移が緩やかで当初の出荷日より遅れてのお届けとなりました」ということで、当初の予定より半月遅れの蔵出しとなりました。
「純青サポーター」には旨い酒を求めるメンバーが集まっています。納期どおりに中途半端に出すより、遅れてでもよい状態まで待つ方が、醍醐味というものでしょう。

2基の木桶が設置された醸造蔵

「短稈渡舟」と「愛山」、難しい米に取り組む

短稈渡舟は2年目になりますが、軟質米だが吸水が安定せず難しい米。一方の愛山も言わずと知れた「超軟質米」ですが、昨年は「超軟質で砕けやすく醸造が難しい曲者の酒米です。使い始めてから3年、ようやくうまく扱えるようになった」と表現されていました。今回はこれらの難しい米への習熟も高まっていることが伺えます。

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