山名酒造「奥丹波 木札」30BY 兵庫県丹波市

兵庫県丹波市市島町の山名酒造さんは、毎年末に「奥丹波 木札」を蔵出しします。。ほぼ予約で完売する人気の季節限定新米新酒で、純米吟醸の生原酒です。11月17日予約受付開始、12月21日に蔵出しとなりました。「奥丹波」と焼き入れられた木の札は兵庫県立氷上特別支援学校で作られたもので、棕櫚縄で掛けられています。
奥丹波 木札 1.8ℓ 3,800円(税抜き)

[Okutanba Kifuda ] The scent of green apple stands up. When it is in your mouth, a soft sweetness drifts over the tongue, and a fruity acidity runs around. It melts like snowflakes and disappears, leaving a beautiful finish like a calm water surface. It’s fresh and fruity but it’s not juicy. Please enjoy lonely winter time with a piece of snow and cold moon, like Zen.
Brewery:Yamana Brewery Hyogo pref Tanba-city, Specific designations:Junmai-ginjo-shu, Variety of raw rice:Yamadanishiki, Degree of rice polishing:60% Pasteurize: No pasterized ,Yeast:Meiri ,Yeast starter:sokujo-moto-method, Alc%:16% Fragrance:green apple, Taste:fruity and clear

12月出荷 山田錦の純米吟醸酒

12月末に出荷される新米の山田錦を使った純米吟醸酒。晩生の晩という山田錦を使ったお酒をこの時期に出すのが特徴ですが、これを醪期間の長い吟醸で高い完成度に到達させているのが人気の理由です。米は兵庫県産山田錦の60%精米。アルコール度は16度。日本酒度は予約開始時の目標値+2。酒母は速醸で酵母は明利酵母です。蒸米は甑和釜、上槽は槽搾り、仕込水は神池寺山伏流天然水と表記されています。杜氏は丹波杜氏組合の組合長に就任された青木卓夫氏です。
兵庫県では10月下旬収穫の山田錦ですが、今年度の兵庫県産も昨年同様、収穫は遅めであったようです。毎年、このタイミングでよく出せるものだと思います。

新米新酒で特筆の端正な姿

若いリンゴの香りが立ち上がります。口に含むと、やわらかな甘味が舌の上に漂いながら、果実的な酸味が周辺を走ります。それが淡雪のように溶けて消え、凪いだ水面のような穏やかな余韻が美しいお酒で、舌先にほのかに残るほろりとした苦味を追いながら、次の一杯に想いを向かわせます。しっかりと美しい骨格があり、フレッシュでフルーティではありますが、喧しくジューシーさを求めるお酒ではありません。寂寞とした冬のひと時を一片の雪や寒月とともにお楽しみ下さい。
今回で3年目の記事になりますが、「明利小川酵母が醸すマスカットや青林檎のような芳香ときめ細かくなめらかな味わい」という蔵の紹介は例年どおり。再現性が日本酒の製造技術者の腕の見せ所である一方、毎年完全な再現ができないところが一期一会の魅力でもあります。「大晦日から小寒の一週間が最も美味しい飲み頃」というお薦めからは、少々フライングではありますが、味わいの深まりに期待も膨らみます。

毎年楽しみにしているお酒

「酒蔵便り」も楽しみ

季刊の「酒蔵便り」はときどき体裁が変更されるようです。この冬は表紙を含めて16ページ立てで、季節の各種お酒の説明が中心になっており、扉に書かれた蔵元さんの「酒蔵便り」がワンポイントになっています。今回のテーマは「想い出だけが通り過ぎてゆく 雪の降る町を」です。この15センチ四方でカラー刷りの便りに1ページずつ紹介されたお酒を眺めながら、注文するお酒を決める楽しさがあります。

青木杜氏は丹波杜氏組合の組合長に就任

ところで青木卓夫杜氏は丹波杜氏組合の組合長に就任されました。今年の8月に丹波杜氏組合が主催する兵庫県酒造大学講座が開催されましたが、閉講式で青木組合長は「吟醸など酒造りが多様化する中でも大切なのは基本で、それが新たな技を身に付ける元になる。けが、病気、事故なく春を迎えられるように」と呼び掛けられたそうです。なお、この酒造大学講座は「杜氏養成講座」として早くも1902年に始まったもので、今年で115回目にもなります。もちろん杜氏・蔵人対象の講座で、一般に参加できるものではありません。

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