舞姫「翠露 純米吟醸55 オール長野」29BY 長野県諏訪市

長野県諏訪市上諏訪に蔵を構える舞姫株式会社さんの「翠露 純米吟醸55 オール長野」です。名前のとおりすべて長野県産にこだわった長野県原産地呼称管理委員会認定のお酒です。平成30年10月製造の火入れです。

[Suiro junmai-ginjo 55 all Nagano] Brewery:Maihime Brewery, Nagano pref ,Suwa city, Specific designations:Junmai-ginjo-shu, Variety of raw rice:Miyama-nishiki, Degree of rice polishing:55%, Pasteurize:pasteurized ,Yeast:Nagano-D ,Yeast starter:sokujo-moto-method, Alc%:16% Fragrance:apple, Taste:fruity

オール長野

すべて長野県産というお酒です。原料米は全量あずみ野産美山錦。精米歩合は55%です。仕込水は「霧ヶ峰の伏流水」で製麹は箱麹。酒母は速醸酛で酵母は県開発の長野D酵母です。アルコール度は16度、日本酒度+1、酸度1.4となっています。米生産者・田中学、杜氏・磯崎邦宏、蔵人・五味一彦、篠原佐斗次、柳平晃と表示されています。「翠露」ブランドはブランド力のある商品という位置付けで、差別化商品として県内と首都圏の特約店販売となっています。鑑評会もこのブランドで出品しています。

ストレートな果実感

強く鮮やかな吟醸香、カプロン酸エチル系のリンゴの香りが立ち上ります。味わいは、口当たりからストレートに酸味が貫きます。この酸味は果実的なもので、これと絡む強い甘味と一体になって突き抜けます。複雑に膨らむということではなく、単純でソリッドに流れる印象です。果実に例えると八朔でしょうか。酸味と甘味を柱に、渋味が表れて収斂しながら比較的長い後味を引いていきます。

美山錦に長野D酵母、諏訪杜氏

舞姫の醸造蔵と右の販売所

原料米は長野県あずみの産の美山錦です。美山錦は昭和53年に長野県農事試験場で、「たかね錦」(北陸12号、東北25号)に放射線処理を行って突然変異を起こし誕生した長野県オリジナルの酒米で、栽培地は長野県以北岩手県に及び、酒米としての生産量は3番目に位置します。早稲に属し、特性として心白の発現が良好、米質は硬く、醸造の際に溶けにくい性質とされています。
「長野D酵母」は長野県工業技術センターで開発された新鋭酵母。親株(協会901号)を変異処理した後、長期(8年)に凍結や乾燥、植継ぎをしないでも低温等の条件化で発酵が旺盛な株を選抜し、このうち酸度が低く、酢酸イソアミルとカプロン酸エチル濃度が高い8Y-41株に対して、さらにカプロン酸エチル生産性を増強したものです。県開発酵母は現在。A及びBは供給停止され、C、D酵母が供給されています。
「霧ヶ峰の伏流水」は軟水。
杜氏さんは諏訪杜氏で、現在は人数も限られて、地元以外では稀(灘・西宮郷で一人は存じていますが)ではないかと思います。

「諏訪五蔵 酒蔵めぐり」は通年で

歴史と伝説に満ちた諏訪湖

諏訪地域ではJR上諏訪駅から南南東に伸びる道路沿いに5つの酒蔵が並びます。この5つを試飲しながら歩くという「諏訪五蔵 酒蔵めぐり」というイベントが通年で行われています。
5つの酒蔵とは舞姫(信州舞姫)、麗人酒造(麗人)、伊東酒造(横笛)、酒ぬのや本金酒造(本金)、宮坂醸造(真澄)です。宮坂醸造は全国区で名が通り、舞姫は東京に事務所を持っていなすが、全体的にローカルでゆったりした雰囲気を残します。
「酒蔵めぐり」はまず、「ごくらくセット」というクーポン、グラス、手提げ袋を1,800円で購入。このクーポンを提示して試飲しながら回るというスタイルです。これが無くても無料や有料試飲は可能ですが、「ごくらくセット」で特別に用意された限定酒もあるようです。

「横笛」伊東酒造

「真澄」宮坂醸造

「本金」酒ぬのや本金酒造

「麗人」麗人酒造

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