白鶴酒造「白鶴 袋吊り 大吟醸原酒」29BY 兵庫県神戸市

今シーズンにスポットで1,000本限定販売された「白鶴 袋吊り 大吟醸原酒」。特定名称は純米大吟醸で「御影郷」のセカンドネームがついています。灘・御影郷にある最大手メーカー白鶴酒造さんは、毎年レギュラー以外のお酒を限定販売しますが、これもその一つで「袋吊り」というのが特徴です。
白鶴 袋吊り 大吟醸原酒 720ml 3,600円(早期申込では3,000円)

[Hakuturu hukurotsuri Junmai-daiginjo-shu] Brewery:Hakutsuru  Brewery, Hyogo pref, Kobe city, Specific designations:Junmai-daiginjo-shu, Variety of raw rice:Yamadanishiki, Degree of rice polishing:50%  Pasteurize:pasteurized  ,Yeast:unknown ,Yeast starter:sokujo-moto method, Alc%:16%  Fragrance:banana, Taste:clear yet rich

”袋吊り”の純米大吟醸原酒をこの価格で

平成29酒造年度に限定1,000本販売された純米大吟醸酒の原酒です。原料米は兵庫県産山田錦で精米歩合は50%です。酒母は速醸酛で酵母は非公開。日本酒度は+1、酸度1.5、アミノ酸度1.4となっています。アルコール度は16度と原酒としてはわずかに低め。上槽は名前のとおり「袋吊り」で、それにしては低価格の販売です。濾過は緩めにとどめているようです。

浅く水平に広がる調和のとれた味わい

手前が高級酒を造る季節醸造蔵である本店二号蔵

思いのほか穏やかな酢イソ系の香りが、飲み口を爽やかに整えてくれます。まずは清澄さ、続いて新鮮で透明感のある甘味が浅く広がり、一方、酸味も無理にかぶさることなく、甘味とバランスしています。フレッシュ・フルーティ・ジューシーという最近の吟醸新米新酒の流行とは一線を画す落着きと、味わいが潮が満ちるように水平に広がるところに特徴があります。新酒にありがちな刺激的な果実感の角を立てることなく、ゆるやかな味わいにとどまるところが「袋吊り」の効果でしょうか。白鶴さんらしく繊細な料理を引き立てて姿よく舞うお酒となっています。後半にはホロリとした苦味が、あっさりしたキレを見せて余韻を残します。

このお酒の成り立ちを推測してみる

今年は資料館にプロジェクション・マッピングを設置

白鶴さんでは季節ごとに、限定数のお酒を販売されます。同じ「袋吊り」のレギュラー酒には「白鶴が誇るシンボリック商品」という「天空」がありますが、山田錦38%精米の「白鶴 天空 袋吊り 純米大吟醸  720ml瓶」が10,800円と、お値段が違いすぎますので、これとは異なると思います。
また、4合瓶×1,000本で720ℓとなり、これだけを仕込むにはサイズが小さ過ぎます。そこで、レギュラーラインナップの「白鶴 純米大吟醸 翔雲 山田錦」(720ml 2,700円)とは日本酒度、酸度、アミノ酸度がわずかに異なるものの、加水、貯蔵期間や上槽の違いで変化する範囲内だと思いますので、この仕込みから新米新酒用に一部を分けて袋吊りで上槽したものではないかと推測したりします。実際のところはわかりませんが、もちろん「白鶴 純米大吟醸 翔雲 山田錦」も立派なお酒ですので、「圧力をかけずに自然に滴り落ちる雫酒のみを集めた純米大吟醸」を味わうには十分な価値があるでしょう。

低価格の大吟醸で業界に衝撃

ところで低価格と言えば、しばらく前に白鶴さんは4合瓶の「大吟醸」を1,000円クラス(現在は1,100円)で発売しました。大吟醸が1,000円という低価格で、「業界に衝撃が走りました」とは大手酒造会社の方の言葉です。これ以降、各社がこの価格帯の大吟醸を続々と発売し、現在もスーパーやコンビニに並んでいます。白鶴さんはこうしたブレイク・スルーをよくやる酒蔵さんという印象です。

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