太陽酒造「純米吟醸 赤石 無濾過生原酒」27BY 兵庫県明石市

兵庫県明石市江井ヶ島にある太陽酒造さんの「純米吟醸 赤石(あかし)」です。27BYと同時に28BYもラインナップされていますが、今回は熟成感のある27BYを選びました。「赤石」は明石の古名。地元では熱烈なファンの多い人気蔵ですが、いまや地元を超えて人気が広がっています。

純米吟醸 赤石 無濾過生原酒 720ml 2,100円

[Akashi Junmai-ginjo-shu ] Brewery:Taiyo  Brewery Hyogo pref Akashi city
Specific designations:Junmai-ginjo-shu, Variety of raw rice:Yamadanishiki, Degree of rice polishing:50%  Pasteurize:No  ,Yeast:unknown ,Yeast starter:unknown, Alc%:18-19%  Fragrance:fruits, nuts, Taste: rich and strong

複雑な濃醇旨口の個性が人気

1年熟成ですので、色合いは茶色がかった濃いめの黄金色。吟醸酒ですが、香りはおだやかな果実香と穀物様の香り。口中香ではナッツの香りが勝ってきます。口当たりは、まず甘味を感じます。これに刺激的な辛味と質感のあろ酸味と苦みが合わさって、熟成された複雑な旨みとなってふくらみ広がります。28BYと比べると、さすがに角がとれた丸味が良い感じですが、基本的には濃醇旨口がコンセプト。重厚感が特徴ですが、意外なほど鮮やかなキレ味との両立が人気の由縁でしょう。

無濾過生原酒の純米吟醸

蔵に近い江井ヶ島の海岸。この海を見ながら一杯っも。

原料米は全量兵庫県産山田錦を使用。精米歩合は50%ですが、純米吟醸という表示です。アルコール度は18度以上19度未満の無濾過生原酒です。27BYですが、製造年月は平成28年12月で瓶詰めして冷蔵保存となっています。諸スペック等はすべて非公開というのはこの蔵らしいところですが、予想すると、酒母は速醸系酒母、酵母は協会7号系あたりかと思います。しぼりは槽搾りです。あえて酒母室をつくらないことで3%程度の野生酵母が混入し、このために特徴的味わいが生まれるということです。
なお、瓶の首には「生詰貯蔵のため瓶口にカビが生えていることがあります。きれいに拭取ってお飲み下さい。品質には問題ありません」となっています。実際、口のスクリューに黒いカビ状のものが。普通はありえませんが、こんなところもファンを喜ばせる個性の現れです。

全量無濾過生原酒「淡麗辛口に反旗を翻す」

試飲会会場。「独断」の文字を見て、「なるほど」と納得

建物はかなり古い大きな木造蔵です。入口には「誰もいないときは、大きな声で呼んで下さい」の張り紙。ここの酒にぴったりの風情です。蔵元杜氏の社長と蔵人1名の規模。淡麗辛口ブーム時代に掲げた「淡麗辛口に反旗を翻す」。以前は蔵の前に横断幕でも貼られていたポリシーです。「当蔵は、全量兵庫県産山田錦の純米無濾過原酒を、昔ながらの手造りで醸造し販売しております。濃厚な飲み口のため、淡麗辛口嗜好の方は、好まないかもしれません。しかし、加水したり濾過すると、本来の地酒の味が薄れると感じるため、当蔵ではこの方法を変える予定はありません」というパンフの文句が全てを語っています。この剛腕的頑固な豪快さが、ここの酒の魅力です。現在は山田錦以外に自家栽培の野条穂を使った酒もあります。一時は翌年の仕込みも危ぶまれる窮地から驚異の粘りで復活。新聞にも紹介されたり、年間造石量100石ほどの小規模蔵としては有名蔵であり、とにかく根強いファンが多くいます。

5~11月の金曜日に有料試飲会

5月から11月の毎週金曜日の午後6時から9時までは、蔵内の旧精米室で試飲会が開催されています。有料1,000円で突き出しと5勺の酒3杯が供されます。追加の酒は有料2杯に制限。酒肴も販売されています。ただし、あくまで試飲会。泥酔や酔っ払いは厳禁で、「大人飲み」が必須条件です。

兵庫県明石市大久保町江井ヶ島789
山陽電鉄江井ヶ島駅から徒歩

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