東和酒造「六歓 はな 特別純米 無ろ過生貯蔵酒」28BY 京都府福知山市

京都府の丹波地域、福知山市の唯一の酒蔵、東和酒造さんの「六歓 はな 特別純米 無ろ過生貯蔵酒」です。しばらく休蔵した後に再開して立ち上げた新ブランド「六歓」シリーズの一つ。平成29年5月製造です。

六歓 はな 特別純米 無ろ過生貯蔵酒 720ml 1,740円(税込)

[Rokkan Hana Tokubetsu-junmai-shu ] Brewery:Towa  Brewery Kyoto pref Fukuchiyama city
Specific designations:Tokubetsu-junmai-shu, Variety of raw rice:Yamadanishiki, Degree of rice polishing:55%  Pasteurize:No  Yeast:Kyokai No.9 Yeast starter:Kouontouka-moto method, Alc%:15%  Fragrance:fruits,  taste: dry and sour

高温糖化酛で9号酵母の特徴をストレートに

伝統的甑で蒸きょう

原料は地元産山田錦を55%精米したもの。生産地の上六人部(むとべ)地区から「六」の字がとられています。酒母は高温糖化酛で、酵母は協会9号酵母です。高温糖化酛を使う理由は「酵母の性格を最も端的に出す方法」というお話でした。アルコール度は15度、日本酒度は+4となっています。仕込水は自家井戸からとれる中硬水。醪も500キロ以下の小仕込み。上槽は槽搾りです。無濾過ですが色合いは清澄でにごりもありませんので、澱引きは十分に行われているようです。生貯蔵となっていますが、冷蔵庫保存が指定されています。5月に瓶詰して瓶燗でしょうか。生での貯蔵期間がある程度経過した方がよいようです。開栓から1週間ほど経っても、甘みが目立ったりというバランスの崩れがなく、よい感じにこなれてきました。

香り豊か ライトでクリア

特別純米酒ですが、まずは9号酵母らしく香りが立ち上がります。比較的酢酸イソアミル系の熱帯の果実的な甘やかな香りです。「米の香りを吟醸じゃなくて花束から出てくるようなイメージで、いかに香り豊かにするかから生まれたのが 六歓 はな です」という説明です。口当たりはごくスムーズで軽い甘みを感じます。これにかぶさってくる酸がシャープで鮮やか。この酸と辛味が最後まで引いて早めにドライな余韻を残します。味わいの広がりは全体にふくらむことなく、半分くらいにとどまって静かな水面のように湛えられて消えていくクリアな全体像です。

「好きにやっていいと言われ」破壊と創造で新ブランド

2017年丹後天酒まつり開催中の酒蔵

享保2年(1718年)創業。昭和52年に一旦休蔵したのち、平成23年に蔵の跡継ぎである今川純杜氏が復活させました。もともと、酒造するつもりでなかったために、姫路市の灘菊酒造で、同じく女性杜氏である川石光佐氏の元で修行。後に、酒類総合研究所で研修を受け、現在は、ともに研修を受けた夫君とともに杜氏として酒造に携わっておられます。
元は「福知三萬二千石」をメインブランドにしていましたが、蔵をつぐにあたり、「歴史的に続いてきた味とか全然なしで好きにやっていいと言われたので本当に好きなようにお米とかも変えたりしました。会社自体もガラッと変えました。破壊して新たに創造した感じです」というわけで、この「六歓」ブランドをラベルやロゴ、瓶も統一して開発。「はな」のほかに、キヌヒカリを85%精米で6号酵母を中温速醸で使った「みのり」、酵母無添加の山廃の「あお」も展開しています。

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