山名酒造「純米吟醸 奥丹波の米づくり日記」28BY 兵庫県丹波市

変わった名前ですが、これは山名酒造の蔵人さんが自ら無農薬で栽培した五百万石で造った純米吟醸酒です。2017年2月4日の立春に合わせて発売されました。2月3日までの予約限定ですが、人気で発送が追い付かず、予約の遅い分は2月8日発送となりました。写真のはがきで案内が来ました。

純米吟醸 奥丹波の米づくり 720ml 2,017円(送料込み)酒粕つき

印象 フレッシュながら抑制された綺麗な酒

上立香はフルーティなリンゴ系の香り。口に含むと一転、麹の香りになります。オフフレーバーといも言うほどのもではなく、香ばしいかおりです。全体を通してフレッシュな印象。味わいは穏やかな甘さがベースになります。ほのかな酸も甘味に合わせるバランスで、若干強めの苦味が口中を洗い流し行きます。奥丹波さんらしい綺麗な仕上がりのお酒になっています。後味も長く引くことはありません。「木札」と同じ方向性にありますが、さらに主張は抑制された印象で、このあたりは米の違いでしょうか。

特徴 五百万石らしいすっきり感

米は五百万石。精米歩合は60%。アルコール度は16度です。酒母は速醸で、酵母はいつもの明利酵母でしょう。上槽は木製の槽搾り。特定名称は純米吟醸ですが、「吟醸」というスタンスより、米の旨みをできるだけそのまま出していこうという酒造りになったのではないかと思います。その結果、五百万石らしいすっきりした味わいが特徴になっています。
2月4日の立春に蔵出しされましたが、名門酒会さんがやっている「立春搾り」のグループとは違います。

蔵人自ら無農薬で栽培した五百万石

米づくりの絵日記になっている包み紙

蔵人の竹中さんと中川さんが、地元有機農家の越前行男さんの指導の下に栽培した五百万石。酒瓶の包み紙が、その様子が絵日記になっているという凝りようです。この絵日記によると、4月1日に種播き。4月5日にプール種苗。田植えから、5月5日に除草。7月5日には出穂・稲の花が咲き、8月24日には稲刈り。稲刈りは昔ながらののこぎり鎌で刈って天日干しとコンバインの併用のようですが、「有機栽培ゆえ繁茂した雑草が邪魔をして、コンバインがスムーズに動かない」ということも。こうして苦労された米を使ったところから、「酒をつくる上でも熱の入り方が違う」というものです。もっとも、杜氏である青木卓夫氏は毎年、自ら栽培した五百万石で「純米大吟醸 卓」を造られていますから、蔵人の奮闘をどんな眼で見ておられたのでしょうか。

このお酒は、1月にトップ写真のはがきで案内がやってきました。相変わらず凝ったデザインですね。杜氏、蔵人合わせてちょうど7人ということで、いつも「七人の侍」風になっています。お年玉として付いていた酒粕もなかなかのお味でした。

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