上原酒造「亀の尾 純米吟醸 龜龜覇 吉」26BY 滋賀県高島市

2016/10/26投稿記事 滋賀県高島市新旭町にある上原酒造さんの「亀の尾 純米吟醸 龜龜覇 吉」26BYです。1年以上熟成され、28年9月製造です。火入れはされています。

特徴 亀の尾を使った純米吟醸

このお酒は龜の尾を使った純米吟醸酒。「この龜は龜に覇をなす美禄かな」から名をとっています。精米は55%です。アルコール度は16度以上17度未満。酵母無添加の山廃で著名な酒蔵ですが、4割は速醸で造られるそうで、このお酒も速醸です。酵母はきょうかい7号酵母。1年以上寝かされてから蔵出しされました。

印象 質感のある濃醇さと清廉で軽やかなキレ味

吟醸ですが、開栓して上立香はほのか。口中香で梨のような香りがおだやかに香ります。対照的に味は、強い酸が中心に座ります。その底を米の甘味がしっかりと支え、苦味辛味が要所に按配されています。開栓して2日目、飛び出した五味がきれいにバランスして、収まるところに収まりました。隅々まで米の旨みが余すことなく詰まっています。質感のある濃醇さと、対極にある清廉で軽やかなキレ味が一体になって、口当たりからのど越しまで、どこを採っても充実感があります。旨い日本酒の一つの型がここにある。そういうお酒でしょう。

腰を据えて一番旨くなるまで「待つ」蔵

歴史ある木造蔵

粒が小さくて固い亀の尾は「味がなかなか出てこないので、1年以上寝かせる必要」があり、それには「7号酵母がよく合う」というお話でした。じっくりと腰を据えて一番旨くなるまで「待つ」というのが、この蔵の特徴だと思います。ですから、この蔵のお酒の旬はいつになるかわからない。「新酒の季節」といったものはなく、1年中いつもその時に一番旨い酒が用意されています。Facebookには「〇〇は品切れになりました」「〇〇はしばらくお待ち下さい」「〇〇の出荷を再開します」というある意味不思議な告知が続きます。タンク毎に旨みが乗るのを待っているという事情です。タンクには酒がいっぱいあっても、売る酒がほとんどない時期もあります。夏場には出荷の再開はほとんどなく、秋の声を聞いてからが本格的に動き出すようです。しかし、これができるのは、強固な支持層があるこちらの蔵ならではかも知れません。業界で一番売れるのは「しぼりたて新酒」ということで、競い合って新酒の蔵出しが前倒し前倒しになっているのが現状です。そこに関わらないでわが道を行くのは、一般的には難しいことでしょう。

亀の尾 純米吟醸 龜龜覇 吉 720ml 2,550円(税抜き)

龜龜覇には他に「皇(すめらぎ)」もあります。

滋賀県高島市新旭太田1524

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