辰馬本家酒造「黒松白鹿 金賞受賞酒 大吟醸」27BY 兵庫県西宮市

016/6/29投稿記事 灘五郷のうち西宮郷にある大手、辰馬本家酒造さんの「黒松白鹿 金賞受賞酒 大吟醸」です。平成27酒造年度全国新酒鑑評会の金賞受賞酒。H28年6月製造の火入れです。

特徴 鑑評会金賞に最も照準が合ったF-1car

このお酒は平成27酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞酒の醪から搾ったお酒。6月25日から250本限定で蔵併設の販売所とネットで販売されました。お米は全量兵庫県産山田錦を35%精米したもの。当然ながら等級は特上級だと思います。酒母は速醸。アルコール度は17度以上18度未満。その他のスペックは発表されていません。酵母も不明ですが、高エステル生成系の自社酵母ということだと思います。車で言えばF-1car 公道向きではありません。

印象 持てる技術を傾注「すごい、これはすごい」

まず、開栓とともに上立香がしっかりと立ち上がりますが、意外に派手ではありません。含み香も爆発的に広がるわけではなく、端正さを止めた上品さです。お味はというと、五味で突出したものはなく、甘みは苦味を伴いながら、旨みは酸味を伴いながら質感を持ってふくらみます。大吟醸ですが、”淡麗”などという物言いを虚しくする美しい濃醇さ。いつまでも口のなかで味わって飽きることのないお酒です。確かに正しくキレるのですが、甘みをぎりぎり残しながら、苦味・渋み・酸味がバランスしながら思いのほか余韻を長く止めます。さすが、灘の大手酒蔵が持てる技術を傾注して鑑評会に出品するお酒。旨くないはずはありませんが、これはすごいです。

新技術を投入 金賞を超えたものをめざす

旧本社・宜春苑から六光蔵を臨む

辰馬本家酒造で現在酒造りに稼動しているのは、平成5年竣工の六光蔵だけで、鑑評会の出品もこの一蔵だけとなります。各過程の設備を制御室で制御するという最新鋭の蔵ですが、出品酒は手作りです。醪も専用の150キロという超小仕込みのタンクを、少しずつ手法を変えて複数本仕込み、最もよい1本を選ぶそうです。今年度は「旨みが多すぎると雑味と感じてしまうため、旨みを適度におさえる挑戦」ということで、技術的にも「0.5度の違いが旨みと雑味のバランスを崩」すため、「タンクの中心と外部の温度差をうめることができ、タンク内全体の温度を理想的な温度に保つ」新しい冷却技術を専用タンクに施したそうです。

鑑評会ではバランスが重視されるのは当然ですが、「バランスがいいだけでは白鹿の金賞酒であるとは言えません」ということで、「すっきりとはしているもののしっかりと味を感じることができる。 香りは高いものの、必要以上に薫ることはなく香りが鼻につかない。 甘さの中にわずかな苦味があり、それが旨みに繋がっていると感じられる」をコンセプトにしたお酒です。以前にご紹介した「黒松白鹿 山田錦 大吟醸 袋搾り」が出品酒ではないかと思いましたが、精米歩合も異なったもので違うものでした。そちらも極めておいしいお酒でしたが、さらに、香りや味わいも一層洗練の度を加えたもので、「旨み」と「雑味」のバランスという意味がわかる気がします。奥が深いものですね。

黒松白鹿 金賞受賞酒 大吟醸 500ml 5,400円

兵庫県西宮市建石町2-10

販売は「白鹿クラシックス」(西宮市鞍掛7-7)

 

 

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