名手酒造店「大吟醸酒 一掴」27BY 和歌山県海南市

2016/4/7投稿記事 和歌山県海南市黒江に蔵を構える名手酒造店さんの「大吟醸酒 一掴(ひとつかみ)」です。H28年3月製造の火入れです。

特徴 繊細さが特徴の大吟醸

名手酒造店さんは「黒牛」ブランドで知られていますが、この大吟醸にのみ与えられた名称が「一掴」です。
お米は山田錦100%で、精米は40%です。酒母は速醸だと思いますが、酵母は非公開となっています。アルコール度は16度以上17度未満。仕込水は「万葉黒牛の水」という”やや硬水”である蔵内の井戸で汲み上げた水を中空し繊維により精密濾過したものと表記されています。日本酒度は+3.5です。注目するのは酸度1.1、アミノ酸度0.7という低い値。

印象 美しい甘味とデリケートなキレ

お味の方は極めて繊細。この酸度、アミノ酸度ですから、当然でしょうが、一方で「薄い」酒になっていなのは、淡いながらも質感を持った甘みの所以でしょうか。この美しい甘みが広がった後に、キレるというより消えていくデリケートさが、このお酒の真骨頂ではないかと思います。これならどんな繊細な料理にも合わせることができそうです。上品な上立香もしっかり感じます。繊細なバランスを追及したお酒は数あれど、「よくできているのだろうけど、旨くない」ことが結構多いなかで、これは旨い。
「硬水」というと、灘酒のようなガツンとくる部分を持っていそうですが、これは柔らかく口の中に入ってきます。黒牛ブランドなど製造の大半を占める純米酒は「9号系」「きょうかい901号」ですから、非公開の中身は何でしょうか。1401が関わっているようにも思います。HPでは酵母は「日本醸造協会、和歌山県工業技術センターのものを自社で培養、活性化。培地は自社製造」となっています。

和歌山きっての名門蔵

展示されている羅牟比岐(らんびき)

慶応2年に、室町時代から漆器製造で栄えた海南市「黒江」で創業。2010年代から純米吟醸など高級酒部門の生産にシフト。米も契約栽培による確保を基本に、自社精米も行うなど、地味なところで随所にこだわりがあるのが特徴です。95%が純米酒となっており、「純米酒 黒牛」は阪神間のデパートや小料理屋などでもよく見られますが、吟醸以上のお酒を見ることはあまり無いようで、蔵の直売所に伺うことになります。しかしながら、足を運ぶ値打ちはあると思います。
平成25、26酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞。和歌山県の酒蔵と言えば、まず名前の上がる名蔵ですが、2011年から社員制に移行。杜氏さんも近大卒業後に社員として入り、当時の但馬杜氏の下で修行されたそうです。ただし、所属は能登杜氏組合で、どうゆう経過でそうなったかはわかりません。
蔵見学とかは無いようですが、「温故伝承館」という建物があり、古い酒造りの道具やなぜか明治時代の学校の教科書などが展示されています。特に注目なのが、明治初期まで使われていた写真の「羅牟比岐(らんびき)」です。つまり焼酎蒸留装置ですが、ありそうでなかなか見ることができない希少品だと思います。

大吟醸酒 一掴 720ml 3,600円

和歌山県海南市黒江846

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