銀海酒造「純米吟醸 稜線」26BY 兵庫県養父市

2015/8/9投稿記事 酸の強い「憎めない酒」をいろいろ試して、あなたの飲み方で。兵庫県養父市の関宮にある銀海酒造さんの「純米吟醸 稜線」26BYです。

特徴 多様性と趣向であなたの一本に

この酒は精米60%の山田錦を使い、7号酵母で醸した純米吟醸です。アルコール度は15度です。

ひとことで言うと「憎めない酒」。本当に!

酸が強烈に出ています。まるでワインのように。これはこの酒蔵のコンセプト、”どんな料理にも負けない”でもありますが、一方、「醪の末期に気温が急上昇して、発酵が抑えきれなかった」結果でもあります。元々の設計とは違った出来上がりになったようで、「いろいろ工夫して飲んでください」という話。

印象 思うままに試してみよう

ブドウを沈めてみた

実際、酸が強いですが、これはこれで一つのモノにはなってる。これだけ酸が強いと「なんでもできる」感じにはなっています。まあ、普通の吟醸だと思って飲まない方がいいかも知れません。ちょっとひねてる?でも、存在感はバツグンです。鑑評会金賞受賞酒と並べて飲んでも全然負けてない!イヤ、”完全に負けてる”んですけど、飲んでしまう不思議な酒です。実際、試してみました。「ぐいのみ」にブドウを沈めて、酒をWilkinsonの炭酸で1:1に割ってみました。罪深い飲み方ですが「これはイケル」。蔵元杜氏さんによると「イチゴと合う」そうで、いろいろやってみたくなります。

小さな蔵の大きな個性

この少し変わったラベルですが、この地域を代表する兵庫県の最高峰「氷山(ひょうのせん)」の稜線をデザインしたもので、ブランド名称も「稜線」です。円筒形のカートンボックスも京都の老舗メーカーに発注したもの。併せてかなりの優れ物です。はじめてデザイナーに依頼して作った自信作。いつもは「嫁が酔った勢いで書いたの」がラベルになっているそうです。

スキー場のまち関宮町にある蔵

1897年(明治30年)創業。5代目蔵元、安木淳一郎氏は異業種から実家に戻って蔵を継いで十数年。全く未経験からのスタートで、近隣の酒蔵から「教えてもらい、助けられてきた」とおっしゃいます。HPもパンフレットもとってもクールですが、ご本人は”とても熱い、苦しいくらい熱い”方でした。みんなに愛されてるのがよくわかります。年間造石量は70石ほど。全量、出石の篤農家・寺田正文氏が作った山田錦か五百万石。現在は全て協会7号酵母だそうです。香りにこだわった綺麗にまとまった酒ではなく、酸の強い、料理に負けない、力強い酒を造りたいと。そこから7号酵母に至ったそうで、生酛、山廃への思いを語る蔵元でした。

「純米吟醸 稜線」 720ml 2,500円

兵庫県養父市関宮756-5

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