岡村酒造場 「千鳥正宗 生貯蔵 古代しぼり」26BY 兵庫県三田市

2015/7/1投稿記事 三田市の田園地帯、木器にある岡村酒造場さんが自ら育てた古代米・赤米を使った「千鳥正宗 生貯蔵 古代しぼり」です。

特徴 古代米で醸した赤いお酒

このお酒の主題は赤米という「古代米」で日本酒を醸すというところにあります。このワインで言えばロゼのような赤い色が赤米の色です。この色を出すために様々な工夫があります。

赤米とは言うものの米全体が赤いわけではなく、表層の部分に発色があります。従って、普通に精米すると、赤い部分が削れて飛んでしまう。麹はどうにかつくる必要があるが、玄米では吸水が困難で麹は作りづらい。ではどうするか。そこで、麹米は70%精米の五百万石を使い、掛米に玄米状態の赤米を使うということで、日本酒という結果を得ながら、この発色を出しています。アルコール度は15~16%。日本酒度は+1になっています。無濾過で滓引きもしていません。

印象 ほのかな酸味とフルーティな甘味

お味ですが、フルーティーな甘みが全体を支配しています。酸味はほのかです。このあたりは赤米に由来するものでしょうか。色彩的にはワインを想像させますが、タンニンによる苦みや渋みは抑えられていて、やっぱり基本的には日本酒の味覚になっています。甘味にくどさがないのが、このお酒の優れたところでしょう。赤米を使ったお酒は(どぶろくも含め)種々味わいましたが、なかでも、このお酒は秀逸と言ってよいと思います。

赤米がおまけに

下が赤米。一般米と比較して。

使われている赤米は蔵の前にある田んぼでとれた自家栽培したもの。お酒にはこの赤米が”おまけ”に付いています。写真は上の白いのが精米後の一般の飯米。下が赤米です。赤い色はタンニンに由来し、主に種皮を着色するものです。私見ですが、赤米については以下のようなものではないかと想像しています。野生のイネは元々赤米であり、縄文時代後期に揚子江下流域で栽培されていた熱帯ジャポニカ種の米が列島にもたらされ、陸稲として栽培された。その後、縄文時代末期に温帯ジャポニカ種の米が水稲栽培とともに、北部九州沿岸部にもたらされ、列島を北進する型で広がった。しかし、従来の熱帯ジャポニカ種も温帯ジャポニカ種と混栽されることで、水稲品種に変化しつつ残り、栽培量は減らしながらも古代から受け継がれた宗教的意味合いを保ちながら現代に生き残ってきた。

冬には赤米の甘酒も

蔵の前には赤米の田が広がります

こちらの蔵は三田市の田園地帯にあります。北は丹波の篠山市。南は西宮、宝塚市など阪神間という立地。かつては丹波杜氏が酒造りを担っていましたが、大手への桶売りが終了してからは、5代目当主の岡村隆夫氏夫妻と四女さんで年間200石ほどを造っていらっしゃるそうです。ご当主と四女さんはそろって東京農大出身。このため丹波杜氏の譜系とは異なっているようです。所属は伊丹の酒造組合。現在は大手の小西酒造(白雪)とこちらを含め3蔵のみの構成となっているそうで、かつての摂泉十二郷の中心であった伊丹酒の酒蔵も随分減ったのは淋しいものです。しかし、この美しい風景のなかで元気に酒造りをされている蔵があることはうれしいことです。蔵の前にはご当主手造りの”竪穴式住居”が。冬にはこ中で赤米を使った甘酒がいただけるそうです。

千鳥正宗 生貯蔵 古代しぼり 720ml 1,680円

兵庫県三田市木器(こづき)340

 

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