西海酒造 「空の鶴 ライスワイン」生 26BY 兵庫県明石市

「とことん自家製」にこだわる西海酒造さんのワイン酵母を使った純米生酒「空の鶴 ライスワイン」です。

特徴 ワイン酵母を使ったワインのような日本酒

このお酒の主題は清酒酵母ではなく、ワイン酵母によって作られた日本酒であるというところ。  米はヒノヒカリを63%精米しています。純米の生酒です。アルコール度は12度とかなり低くなっています。

印象 もうこれは白ワイン

味はというと、これはもう白ワインでしょう。フルーティなのはもちろんですが、甘みが強く出ています。一方、酸も適度にありますので、後口に甘みが残り過ぎることはなく、綺麗にキレてくれます。この味覚を記憶から探ってみると、「ミュスカデ シュールリー」が最も近いと思います。ブドウの皮に含まれる成分と米の外郭部分の成分に共通のものがあるのでしょうか。山田錦などの酒米とは心白の大きさやタンパク質の逓減率などが異なった米を使ったことが、よい方向になっているのかも知れません。もともと醸造酒というだけでなく、日本酒とワインは酒のなかでも最も近縁にあると思います。その違いは原料としての米とブドウの違いが大きいと思っていましたが、このお酒を飲むと酵母が最大の要因かも知れないと思い直しました。

ワイン酵母を使うということ

当然、どちらも酵母はsaccharomyces cerevisiaeですが、ブドウは果実中に自然酵母が備わっており、ワインは基本的にこの酵母を使う歴史的発展があるようです。一方、自然酵母の中にはキラー活性を持つものが相当割合あり、清酒酵母がキラー酵母に弱いという特性から自然酵母の混入の回避は蔵にとって、蔵付酵母などを使わなくとも必要な課題であることは変わらないようです。日本酒の蔵でワイン酵母を使う場合には、キラー酵母を排除する酵母の選択が必要だそうです。(もちろん、ワインや味噌や醤油でも同様でしょうが、より慎重さが求められるようです。)また、ワイン酵母の発酵には20℃以上の品温が必要ということで、吟醸造りなど低温発酵に慣れた日本酒の作り手には勝手の違うこともあり、苦労もあるそうです。

日本一小さな蔵で、日本一旨い酒を

蔵元がほぼ一人で醸す

こちらの蔵は享保元年(1716年)創業。写真は工場っぽいですが、シャッターの内に入ると、時代劇でも使えそうな木造の酒蔵には酒林のみならず立派な注連縄も。蔵元杜氏である八代目になるご当主は、高校で工業化学の教鞭を執っておられ、定年退職後に蔵を継がれたそうです。レンゲや米糠以外は使わない自家水田での米作りは苗から自家製で。70石ほどの造石量ながら、精米も自家精米というこだわり。一貫して自家製にこだわる酒造りはホームページで克明に紹介されています。このため、1年を通じて休む間がなく、「教師の時の方がよほど楽でした」とおっしゃりながら、72歳の現在も高校の講師も続けておられます。

家族経営、と言っても常勤はご夫妻のみ。以前は丹波杜氏が来られていたそうですが、ある年、怪我のため来れなくなり、自身で造ることに。その酒が地区の酒造組合の鑑評会で1等になり、それから杜氏を兼ねているそうです。兼業の息子さんご夫妻が手伝われて、酒造りを維持しているという小規模蔵ながら、このライスワインの他にも吉野葛を使ったお酒など、研究熱心でチャレンジ精神にも溢れています。もちろん、純米大吟醸や大吟醸も高いレベルで、「日本一小さな蔵で、日本一旨い酒を」の心意気で今日も励んでおられます。

「空の鶴 ライスワイン」純米生酒 720ml 2,260円

兵庫県明石市魚住町金ケ崎1350

一見、閉まっているようですが、インターホンを押してしばらくするとお返事がありました。

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